VOL.107 3rd Album『Crystallize 〜君という光〜』
music freak magazine Flash Back GARNET CROW 10th MemoriesP.042–043
●○○ From music freak magazine Vol.107
GARNET CROW
New Album『Crystallize 〜君という光〜』
11.12Release!!
約1年半振り、いよいよGARNET CROWの3rd Album『Crystallize 〜君という光〜』が完成した。以前からの世界観はそのままに、多彩なアレンジ・ワークと洗練された歌詞、そしてパワー・アップしたヴォーカル力と、精緻に研ぎ澄まされたGARNET CROWの音世界が堪能出来る作品に仕上がった。更なる極みを越えて独自のスタンスを追及し続けるGARNET CROW、このアルバム制作についてヴォーカル・中村由利と作詞・AZUKI七にインタビューした。
●約1年半振りのアルバムですね。これは今年始めのライヴ・ツアーが終わってからの制作期間中に作り始められたものですか?
中村由利(以下中村):その頃に曲が溜まっていって、実際にシングルとして発表した物もあるし、置いておいた物もあるし……。曲が溜まって来てアルバムになった、という感じ。なんか結構いい曲を抽出して作れた感がありますね。
●結構な数、曲を作られたのですか?
中村:そうですね、さらに最近作った新しい曲もあるし……。今回、7ヶ月間かけて書き下ろした曲と以前からあって今回やってみようみたいな曲と半々ずつくらいですね。
●現時点で、まだ作業中の曲も残っているようですが、これは……?
AZUKI七(以下AZUKI):結構、最後に(アルバムが)出来上がりかけてから、最終2曲をアルバム全体の流れとかを聴きつつ差し替えをしているんです。
中村:アルバムの全体像が大体見えた頃で、タイトルも決まってってなった時に、こんな楽曲が1曲欲しいとか具体的に見えて来たので、最終の微調整というか、アルバム全体の締めみたいな感じですね。
●アルバムの流れはどんな感じになりそうですか?
中村:それも、最終まだなんです(笑)。なんか漠然とはあって、今日みんなで決めるんですけど、今回はちょっとポジション取りが激しくて大変かな、みたいな(笑)。1曲1曲がすごい個性が強くて主張があるので、なかなか組むのは難しいですね。
●このアルバムは、各曲共個性がすごく違うんですが、前回のインタビューでAZUKIさんが言っていたように、中村さんが歌えばそれだけでGARNET CROWになる、みたいな印象を強く感じました。
AZUKI:その安心感は、すごくそれぞれみんな出てると思うんですよ。
中村:私は歌う人ですけど、アレンジする人も歌詞を書く人もギターを弾く人も固定の人なので、その人がやればGARNET CROWになるっていう安心感は私にもありますね。この4人ですれば必ずGARNET CROWの音になるし、っていう。
●○○ From music freak magazine Vol.107
●そこの部分はアルバム3枚目にしてすごく濃くなって来てますよね。
中村:その中でみんなが遊び方も覚えて来てる。それぞれが安心してるから、少しくらい自分の中で冒険してても収まってるっていうか。
●バンドらしくなって来てますよね。AZUKIさんの歌詞にもGARNET CROWの世界観がはっきり出てますね。
AZUKI:……?? そんなに深く考えないで、気にしないで遊んでます……(笑)。
●古井さんのアレンジにしても、中村さんのヴォーカルをしっかりサポートしてる。ヴォーカルの引き立て方がバンドっぽい。
中村:そこは「あ、うん」の呼吸なんです(笑)。
AZUKI:アレンジの部分でも出る所は出て、引く所は引いてっていうのは、すごくありますね。普通パッと聴いただけでも分かるくらい、分かりやすい。
●そして、前回のインタビューで、最近のレコーディングではキーを決めたりテンポを決めたりするのは時間がかかると伺ったんですが、確かにこのアルバムを聴いていると、地声やファルセットの使い方も独特ですよね。
中村:そういう所がまた微妙なんですよね。今回、だからそういう所でキー設定とか、最後まで詰めてやりました。転調感とか全体を通してのサウンド感、響き、それにまたヴォーカルが乗るとどうなるか?とか、ちょっと堅く聴こえたらこうしようとか、コーラス・ラインをどうしようとか……。結構全般に渡って響き重視を心掛けました。
●この12曲を聴くとその響きの部分も微妙な所で変わるというのが分かりますね。
中村:(声を)張って気持ちいいポイントとか、ファルセットにして気持ちいいポイントとかは、曲調によって違ったり、メロディ・ラインによって違ったりするし、その違いのポイントを最終的に決めるのに、結構時間を掛けました。
●「君という光」や「今日の君と明日を待つ」にしてもあのファルセット気持ちいいですよね。ところで、このアルバム・タイトル『Cristallize 〜君という光〜』なんですが、今回もサブ・タイトルが付いてます。これはAZUKIさんが命名した?
AZUKI:いえ、みんなで考えて、これって(笑)。パッとみて分かりやすいかなと。
中村:「君という光」が一番聴いて貰いたいシングルですし、やはりそれをタイトルに入れておくと覚えて貰いやすいかなって。
●アルバム全体からすごく前向きというか、光が見えてくるような気がします。それは歌詞についてもそう思えるんですが……。
AZUKI:先にこういうものをって書き出す事はないんですけど、結果、今回のアルバムやシングルは、特に幸福感の中で作品を作った感じになったかな、と思いますね。
●「君」という単語の距離感にしても、近付いてるというか聴き手が参加出来るような積極性を感じるんですが……。
AZUKI:参加して下さい(笑)
●これって、やっぱり先にライヴ・ツアーがあって、実際のファンと触れ合った事が今回の作品作りに影響を与えてるとかいうのはないですか。
中村:なにか、無意識的にライヴを経験してるのと経験してなかった時とではやっぱり、違いますよね。常に私たちの音楽を待ってくれてる人がいると分かってる中で、作品を作るっていうのは幸せな事じゃないですか。それが見えるのと見えないのとでは違う所もあったかなぁって。
●そういった意味でも、良い意味でのGARNET CROWの余裕とか自信みたいなものが、そろそろ4人の中にも出て来たんじゃないですか?
中村:今回は1曲1曲集中して、時間も割りとあったし、突き詰められる所まで行けたというか、自分の中でも1曲づつ消化しながら進めていったから、制作をしたという充実感や達成感はすごくありますね。やり直せる期間もあったし、その中で遊びの曲があったりとか、一生懸命集中している中での余裕っていうか、それはちょっと私も感じてました。
●ここにきて、4人の世界観が確立しましたね。
AZUKI:毎回言ってるけど、次作がすごい大変になるアルバムが出来ました(笑)。
中村:毎回言ってるよね(笑)。前作でもそうだった。今回も次は考えられないくらいどうしようっていうアルバムです(笑)。
●アルバム全体でGARNET CROWの世界観を作ってる。絶対GARNET CROWってアルバム・アーティストですよね。
中村:今回は色んなタイプの曲が入ってますしね。じっくり聴いて貰いたい曲もあり、ちょっと楽しくなる曲もあり、自分たちも楽しんで作った曲もあり、そういうのがアルバムならではだと思うんです。バランスよく出来たなぁって、自分たちでも思います。
●岡本さんにしても以前に比べてギターがすごく出て来てますよね。
AZUKI:出て来てる!
中村:ライヴやったから ロックしてる。また歌もそれに負けてられないな……(笑)。
●古井さんにしても色々な他の活動から持ち帰って来てるものがあって、以前より数倍、GARNET CROWの音楽のツボを心得て来た感じはありませんか。
中村:それはあるかも。最近、アレンジ上げも早い時はすごい早いよね。
●かたや、AZUKIさんの歌詞は、今回タイトルからイメージを喚起させる作品がいくつもあります。「泣けない夜も泣かない朝も」とか「今日の君と明日を待つ」とか、その他にも何か仕掛けがある作品は?
中村:「Endlesss Desire」は、映画女優のことを暗に含んでいる歌詞なんですよね。
AZUKI:映像とリンクさせてビデオ・クリップとかが見れるようにと思って……。歴史上の映画のガイド・ラインをなぞって、グレース・ケリーや「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラとか、そういうひと花咲かせた人たちを集めてみました。映画スターには、華やかな世界に生きた人の孤独な所や、ちょっと儚いなぁという所をすごい感じるし、そういう複線を歌詞に張ってみました。
●「Marionette Fantasia」はちょっとファンタジーが漂ってますね。
AZUKI:この曲の歌詞は、後から聴いたら、制作陣とイメージがまったく一致してた。
中村:メルヘンの世界というか、ファンタジックなんだけれども大人も見れるファンタジー、大人も読めるグリム童話みたいな、そういうちょっと毒のある世界のをやってみたいなぁと思って。それを考えてたらぴったりハマりました。この辺の曲はアルバムならではじゃないかな。楽しんで貰えれば。
●「逃れの町」は?
中村:これはレコーディングも最後の方に作った曲で「ロックっぽい曲が欲しいね」って言ってこれを作ったんです。けっこうギリギリで決めた曲なんですけど、ハードでディープな濃い曲になりました。
●どの曲も楽しんで作ってる感じありますよね。
中村:集中しつつ、楽しんで作りました(笑)。
●発想がどんどん湧いて来てる感じありますね。実際、このアルバムは始めからコンセプトみたいなものはあったりした?
中村:私たちの場合は、作っていく内にアルバムの全体像が見えてくるというか、最初にその枠を決めてからスタートじゃなくて、自然に制作していった中で積み重ねていったものがアルバムのテーマになっていきますね。最初から外枠決めちゃうとそこから制約があってなかなか作りにくくなってしまうので、最後の最後、ある程度曲が決まってきて、タイトルが決まって、全体像が見えて初めてアルバムの形になっていきます。それまでは本当に1曲1曲の独立した単体の形で、アルバムとして具体的に見えるようになってきたのは、私たちも最近なんです。
●そういう作り方をしているという事は、今回のアルバム未収録曲もたくさんある?
中村:あります! 逆に「今日の君と〜」とか「Only Stay」とかはけっこう前々からあって、今回やっと形になって収録出来ました。
●一般的に曲を放置していると、曲の世界が時代とずれて変わったりするものですが、GARNET CROWの曲ってあんまりそれがないんでしょうかね。
中村:そうですね。あんまりないっていうか、やってみると、意外に全部合うというか。曲だけ聴いてるとすごいクセがあってどうしようかな?って思う曲でも歌詞がついてアレンジが出来て、歌を乗せてみると「意外にイイネ、これ」っていうのが案外あったりもする。それはそれこそやってみないと分からない部分も多いから。合わないというのはないかな。
●GARNET CROWってずっと聴ける曲が多いですよね。流行りすたりに関係ないというか。
AZUKI:ずっと聴けるものにしたいと、最初から思っていたので……。どこかで意識して作ってる部分はあると思う。
●今、思ったんですけど、GARNET CROWの音楽ってアーティストの生活感は全く感じられないんだけど、自分の生活の中にその音楽があると、それは自然で納得してしまうという不思議な魅力がありますね。
中村:自分たちがあんまり主体としてに見えないようにしたいというのはありますね。あくまで曲が主役というか……。自分たちの生活と、それを聴いている人たちの生活に、曲が溶け込むのとはまた別だなと思うので、メインは楽曲の世界を感じて貰いたいんです。
●では最後に、アルバムが完成してみてどんなアルバムに仕上がりましたか。
AZUKI:出来ました……。ホッとしました。良かったです、大変でした。でも、今までより一番大変って感じがしなかったアルバムかもしれない……。
中村:まさにクリスタライズな、自分たちの汗と涙の結晶のアルバム……別に泣いてはいないですけど(笑)。……自分たちの今のベストを尽くしたアルバムになりましたね。
(斉田才)
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GARNET CROW
New Album『Crystallize 〜君という光〜』11.12 Release
GIZA studio GZCA-5038 ¥3,059(tax in)
1.今日の君と明日を待つ 2.君という光 3.スパイラル 4.泣けない夜も 泣かない朝も 5.クリスタル・ゲージ 6.Marionette Fantasia 7.永遠を駆け抜ける一瞬の僕ら 8.Endless Desire 9.逃れの町 10.Only Stay 11.恋することしか出来ないみたいに 12.夢みたあとで -lightin' grooves True meaning of love mix-
※「永遠を駆け抜ける一瞬の僕ら」TBS系「サンデージャポン」(日曜10:00〜11:24分)