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VOL.120 岡本仁志 Solo Album『FF/REWIND』

music freak magazine Flash Back GARNET CROW 10th MemoriesP.058–059

●○○ From music freak magazine Vol.120

岡本仁志
Interview

New Album
『FF/REWIND』

11.17 On Sale !!

 GARNET CROWのギタリスト、岡本仁志が久々にソロ・アルバムを発表する。1stアルバムから2年8ヶ月振りにリリースされる新作が『FF/REWIND』だ。"早送り・巻き戻し" という意味のタイトルは、どこから聴いても楽しめるというコンセプトに基づいている。前作のポップな香りはそのままに、今作はバンド・サウンドを意識した仕上がりになっており、従来の "宅録" のイメージとは違う躍動感溢れるナンバーも収録。しかし、それだけで終わらないのが彼の魅力である。どこかドライな面を覗かせる部分も盛り込まれ、自称 "ひねくれポップス" は今作も健在だ。

 1stアルバム発表時から今作までの間に、GARNET CROWはもちろん、サポート・メンバーや楽曲提供など、様々な活動を展開してきた彼。今年行われたGARNET CROWのツアーではヴォーカリストとしてGARNET CROWの曲を披露し、大勢の観客がその穏やかな歌声に魅了されたのも記憶に新しい。サイド・プロジェクトというスタンスながらも、確実に自分の音世界を構築している岡本仁志に、出来上がったばかりのアルバムについて話を聞いてみた。本人コメントによるセルフライナー・ノーツも必見。

最善は尽くしました。最後の最後までみっちり時間を掛けて作りましたから……。

●今回のアルバムは前作から2年半以上経ってからのリリースになりますね。

岡本仁志(以下岡本)リリース時期はあまり気にしなかったというのはあるかもしれません。一般的なギタリストがソロ・アルバムを出すとなると、ブランクがあるのがちょっと格好良いみたいな……(笑)。ちょっと溜めておいたものを出しとこうか、という感じです。2年8ヶ月振りというのは、普通のプログラムとしてはサボり過ぎですけど、サイド・プロジェクトなんで妥当かなって。

●今回の曲は、ソロ作品用に溜めていたものなんですか?

岡本自分の曲用というのはすごく意識して作ってる訳ではないですけど、今回のアルバムの曲だと、「Autumn Sky」と「静寂の間に」「It's only love」はそうかもしれません。「Autumn Sky」は1stアルバムを出した後ぐらいに "そろそろまた作ろうかな" と思って作った曲ですね。その時に次のアルバムでカヴァーもやってみたいなと思って、何をしようか考えた時に最初に浮かんだのが「no matter what」でした。だからこの2曲はわりと同時期に出来た曲ですね。今言った4曲は前のアルバムが出て1年以内に出来た曲だと思います。

●1stアルバムを出した後、作品作りに対する意識が変わったりしましたか?

岡本実際に自分でやってみて "ここまでは自分でも出来るな" っていうのと、"ああいうのはやってみたいけど出来ないな" というのが明確になったので、それを踏まえて次のアルバムを作る時はやってみたいなと思ってました。

●そのやってみたい事は、今回のアルバムにも入っていますか?

岡本そうでうすね。カヴァーをやってみたかったというのもそうですし、ギタリストなのでベースとドラムとギターが鳴ってりゃいいや、みたいな(笑)。そういう感覚の曲が多いです。

●1stアルバムがほのぼのとした感じの作品だったのに対して、今回は勢いのある曲もあって、外に向かって発信している感じがしました。

岡本僕の作品の場合、"宅録" という言葉は付いてきますけど、今回はいかにも宅録という感じの曲は1個もないです。むしろ "もしバンドでやるとしたら……" というサウンドですよね。

●今回も全部宅録なんですか?

岡本そうです。100%宅録です。

●そういう風には聴こえなかったので、びっくりしました。そう思ってもらった方が嬉しいですか?

岡本微妙ですね……(笑)。生のドラミングの音を目指してるのに、家でちまちまと打ち込んでたというのも格好悪いですからね。

●アルバム制作では時間は取れたんですか? GARNET CROWも含め、色々とお忙しいですよね。

岡本やっぱり時間は細切れになっちゃいますね。最初は細切れでもいいんですけど、段々締め切りが迫ってくると、その細切れがイライラしてくるんです(笑)。作業が途中で止まると、次に復旧する時に "この先どうしたかったんだっけ?" という風になっちゃうので、全部メモっておかないと忘れてしまいそうになります。

●制作の終盤は大変でしたか?

岡本そうですね、ヤバかったです(苦笑)。実は今朝まで作業をしていて、さっきやっと最後の1曲のテイクが決まって音源を渡した所です。栄養ドリンクのお世話にもなりました(笑)。今回は煮詰まった事もありましたけど、コンピューターのトラブルは一切なかったんで、それは本当に良かったです。前のアルバムと今回のアルバムの制作の間に1度ハードディスクが潰れてますから。だから作業中に "今ダメになったらどうしよう……" と思ったりもしながら、バックアップは欠かさず取ってましたね。

●作業で煮詰まったというのは?

岡本いや、煮詰まると言っても、アレンジャーさんなら普通に起こりうる煮詰まり具合だったんですけどね。にっちもさっちも行かなかった曲はなかったです。

●他の作業と自分の作品を作る時との気持ちの切り替えも大変だと思うんですけど。

岡本歌以外の作業はいいんですけど、歌だけは本当に……。ちょっと早起きしなきゃいけなかったり。家で録ってるので、朝8時位に起きて昼ぐらいから歌い始めるのが理想なんですけど、前日の作業は明け方までとかになっちゃうと、そのサイクルがずれて夕方4時位から歌い始めると、近所迷惑の事を考えたら夜8時位まででストップしなきゃいけないんで……。そういう時はすごくヘコみますね。でもオケ作りとかは時間帯関係なく作業が出来るので、切り替えが大変なのは歌だけでした。

●1枚目のアルバムの時に、歌うのは恥ずかしいと言ってらっしゃいましたが、それは今回も変わりませんか?

岡本今さら恥ずかしいというのはないですけど、自分の声は基本的には嫌いなので、それとどう対決していくかというのがテーマですね。でも以前よりは大丈夫になりました。

●GARNET CROWのライヴやTHURSDAY LIVEなど、人前で歌う機会も増えたと思いますが、それも影響してますか?

岡本そうですね。GARNET CROWのライヴDVDにまで入っちゃいましたからね(笑)。もう "しゃーねーや" って覚悟を決めた所もあるかもしれません。

●GARNET CROWのライヴで歌う事になった時の心境はどうだったんですか?

岡本"マジっすか!?" という感じでした。でもその時は1曲だけだし、しかもGARNET CROWの曲だったので、お客さんも受け入れてくれるだろうとは思ってました。その前に


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"OKAMOTO NIGHT" でもやってたので、そういう意味では安心してました。

●でも、ホール・ライヴで大勢のお客さんの前で披露するとなると、緊張しますよね。

岡本ライヴでは何曲か演奏をして中盤に自分が歌うという進行だったので、まだ大丈夫でした。これがいきなりだったら無理だったと思います。

●岡本さんのヴォーカルを聴いて、中村さんは何かコメントされたりしましたか?

岡本自分とは歌い回しが違うのが面白いと言ってましたね。他のサポート・メンバーの方には僕の歌い方を真似されたり……ね(笑)。

●岡本さんは歌っていて気持ち良いと思う時はありますか?

岡本少なくともレコーディングしてる時はそう思った事はないですね。

●今回のアルバムで、岡本さんは英語で作詞をされていますが、言葉の意味と言うより、歌った時の言葉の響きや伸ばし時の感じを大切にしてるというか、音として捉えてるのかなって思ったのですが。

岡本それはありますね。(発音が)苦手な母音と得意な母音があって……。僕は "お" とか "あ" は得意なんですけど、"い" とか "え" は苦手です。高い場所で伸ばす音は自分で上手く歌えないなって。僕の場合は基本的に歌い方がモゴモゴしちゃうんで、常識程度に聴こえる様に歌い直したりしました。

●今回もAZUKIさんが作詞されていますが、岡本さんからAZUKIさんに歌詞の内容についてリクエストする事はあったんですか?

岡本前のアルバムの「STRAY BEAST」ではお願いした事があったんですけど、今回はなかったですね。

●実際に上がってきた歌詞を見て、どう思いましたか?

岡本横文字が増えたな、と。デモ・テープでは僕が適当な英語で歌ってるんですけど、その響きを大切にして配慮してくれはったんだろうなというのはすごく感じました。

●今回は岸本早未さんへの提供曲も入ってますが、これは自分の曲として作る時はこういう風にしようというのはあったんですか?

岡本自分の曲としてやる時は変えようとは思ってたんですけど、そこで歌詞をどうするのかとか、サウンドをどう変えようかという事で少し悩みました。岸本さんの曲はドラムのキックの音とかがわりとフロアっぽいんですけど、僕のアルバムでそれをやると浮いてしまうので、普通の生ドラムのサンプリングの音を使いたくてそういうアレンジにしました。歌詞は日本語でも良かったんですけど、スタッフの方が "デモの英詞の感じを残してみたら" と言って下さったので、僕も "そうですね。じゃあ誰かにお願い出来ますか" って言ったら、"じゃあ自分で……" って。それでもう、単語をものすごく調べまくって書きました。先に日本語の歌詞があって、それを訳したんじゃなくて、いきなり英語の文章を考えてたので、作詞というよりは気に入ったフレーズを固めたものみたいになってます。でも繋がりはあるんですけどね。この曲はもともと4サビまであったんですけど、僕のヴァージョンは3サビまでで、後はギター・ソロになってます(笑)。後付けになっちゃうかもしれないんですけど、今回のアルバムってギタリストのアルバムっぽくないんですよ。だから、そこでいかにもギタリストらしいっていうのをやろうと。もちろんどこかでギター・ソロをやりたいとは思ってたんです。間奏でギター・ソロじゃなくて、敢えて曲の最後でやりたいなって。

●アルバムとしてのバランスを気にしながら、曲のタイプを考えたりしたんでしょうか?

岡本曲を集める時点で何となくは考えてました。普通のアルバムが収録曲以上のストックの中から選んでいくんですけど、僕の場合は収録曲が全何曲かが決まってから曲を持って来る感じなので、最初からアルバムとしてのバランスは取れてたと思います。「LOST CHILD」はテンポ140という今までやった事のないタイプのものだったので、ここでやってみようと。「It's only love」はロック一辺倒の曲もあったらいいなと思って入れました。バランスを取りながらチョイスしていった所はありますね。

●「LOST CHILD」は今までの曲とは違って、スピード感がありますね。

岡本THE MUSIC 272で「PASTIME PARADISE」という番組をやってた時に、"オープニングを作ろう!" というコーナーがあったんですけど、そこで作っててネタがあって……。オープニングだからギターのカカカカカカカカッていう音で始まって、段々音数が増えていって、ベースのスライドで一気にドカンといった時に番組タイトルの文字が出るみたいなイメージで作ってたんです。それをモチーフにして作った曲がこれです。リズムインしてからの展開は違ってますけど、最初の部分を流用してます。番組で流した時に良かったから、アルバムの曲でも行けるなと(笑)。その時とはコードが違うのでどうなるかと思ってたんですけど、出来上がったのを聴いたら上手く行っていて良かったです。

●前からこういう早い曲はやりたかったんですか?

岡本やってはみたかったんですけど、単に早い曲をやりたいかと言うとそうではなくて……。テンポが早くなると音が若くなってしまうというか。青春ポップと言うと良い言葉ですけど、裏を返せば幼い音楽みたいな捉えられ方もするので、そうならない様にAメロとかもコードを暗くして、毒を持った早い曲にしました。可愛い曲だと本当にポップだけで終わっちゃうんで。

●今後、日本語で歌詞を書いてみたいという気持ちはありますか?

岡本そうですね。書くなら、言葉遊び的なものから始める事になると思います。自分で詞を書いて自分で歌うと "これはちょっと恥ずかしいな" というブレーキが掛かっちゃうんですよ。

●恥ずかしい言葉も歌なら言えるという人もいますけど……。

岡本そういう考え方もありますね。どちらにしても、普段から言葉を書き留めてないとダメですね。そういうアンテナが立ってないですから。急には難しいですね(笑)。でも今回、英語の歌詞を書く為に言葉を並べる作業を考えたら、格好良い日本語のフレーズを普段から集めていれば、簡単ですもんね。

●今回のアルバムで、岡本さんのソロとしての楽曲も増えたと思いますが、これからも増やしていきたいですか?

岡本そうですね。ソロという事で、サウンドに関しても自分のやりたい方向性に進んいるのですごく自由度が高いと思います。その点ではすごくラッキーですよね。その時のモードで音楽が作れるので。

●これからも一人で作っていくというスタンスは変わらないですか? 1曲ぐらいはバンドでやってみたいとか。

岡本今回のアルバムみたいに、バンドっぽい曲がずっと続くなら有り得るかもしれないですけど、また僕のモードが変わるかもしれないので正直分からないですけど、今は考えられないですね。

●今回のアルバムで岡本さんが特に好きな曲はありますか?

岡本優劣ではないんですが、ポイントとなる曲はあります。「sphere」は2部構成なんですけど、思い付きでやってみたら意外に出来ちゃった、みたいな。2部構成に挑戦したという意味ではすごく有意義でした。「telepathy」は自分で英語の歌詞をひねり出した曲ですし、「LOST CHILD」もポイントになる曲ですね。

●このアルバムは、岡本さんにとってどういう作品になりましたか?

岡本前作よりストレートになってると思います。前のアルバムで "ここはやり過ぎた" みたいな所があったので、シンプルな曲は本当にシンプルになったし、学んだ事は確実に活かされてると思います。最善は尽くしました。最後の最後までみっちり時間を掛けて作りましたから、早く聴いてもらいたいですね。

岡本仁志
NEW ALBUM『FF/REWIND』11.17 Release

GIZA studio GZCA-5050 ¥2,100(tax in)

【SELF LINER NOTES】
1.LOST CHILD

ギター依存症90%のパワー・ポップ。オープニングにはもってこいの曲。初球はまっすぐストレートといった感じか。

2.no matter what
Badfingerのカヴァー。忠実な所は忠実に。プラス自分らしいエッセンスも盛り込んでいます。

3.telepathy
初のセルフ・カヴァー。作詞らしい作詞も初。デモ・テープ段階の時に入っている適当英語の感じを再現してます!!

4.Autumn Sky
ギター依存度100%のバカ正直なギター・ポップ。詞の中で主人公が感じる様々な感情にも注目。

5.Click Me Pt.2
「Click Me」のリミックス的なもの、パート2。ヘッドホンで聴くと気持良く(悪く?)なるタイプの曲です。

6.静寂の間に
ミディアム・バラード。曲を通して色んな景色や場面を伝えられる様に努めました。

7.It's only love
めまぐるしく展開ある3分間。究極のひねくれポップ・チューンです。

8.sphere
2部構成の曲。これも色んな映像を提供出来るように音を作っていきました。映像的な曲。

Hitoshi Okamoto
:Vocal,chorus,Guitars,keyboads,drums,bass...

All songs:Hitoshi Okamoto(eccept M-2)

All arrangement:Hitoshi Okamoto

Lyrics:Azuki Nana(M-1,M-4,M-6,M-7,M-8)

★レギュラー・ラジオ番組オンエア中!!
 「PASTIME PARADISE」

 α-STATION(隔週土曜日)21:00〜22:00

■OFFICIAL WEB SITE hitoshi-okamoto.com