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VOL.173 COVER INTERVIEW「Doing all right」(後半)

music freak magazine Flash Back GARNET CROW 10th MemoriesP.174

●○○From music freak magazine Vol.173

岡本フレーズがブルージーなので、僕よりも上の世代の方で"おおっ!!"と思う人がいるかもしれませんね。

●ギター・ソロ以外で、この曲ならではという部分はありますか?

中村サビ頭のコーラスですね。このコーラスは私とオカモっちと、doaの大田(紳一郎)さんにお願いして、3人それぞれのハーモニーが盛り込まれているので、誰がどのパートを歌っているのかを聴いて当てるのも楽しいかもしれません。実はサビ頭をコーラスでやるというのは初めてで、初めはサビ頭もメイン・ヴォーカルだけで繋げて歌っていたんです。そこからポップさを出す為に切り離してコーラスに厚みを持たせた事で、この曲に一体感が生れたと思います。

岡本このコーラスは、キーが高かった(苦笑)

中村しかもサビでタイトルを連呼していますからね(笑)。これだけ言えば、タイトルも覚えてもらえるだろうと(笑)。そこをコーラスでしっかり出せたのは、非常に分かりやすくて良かったと思います。

岡本そう言えば、GARNET CROWのシングルで英語のタイトルって珍しいですよね?

●そうですよね。シングル曲に関しては、日本語のタイトルがメインになっていますよね。近年だと、日本語と英語の混合では「風とRAINBOW」や、英語をカタカナ表記にした「涙のイエスタデー」はありますけど……。

岡本この曲のタイトルを見た時、そういう意味でもちょっとビックリしました。

中村シングルで完全な英語タイトルのものって、「Timeless Sleep」以来じゃないですか。

●となると、ますます「Doing all right」という曲は、シンボリックなものになりますね。

中村そうですね。シングルだからこそ出来た形だと思います。この曲がシングルじゃなかったら、3曲目に収録されている「Doing all right」のアコースティック・ヴァージョンの様なスタイルでアルバムに入ったかもしれません。

●アコースティック・ヴァージョンは、どういう仕上がりになっているんですか?

中村本当にシンプルな感じで、オカモッちの"ワン、ツー、スリー"というカウントも入っています。メインの「Doing all right」は広い会場でのライヴの様子が目に浮かぶ曲になっていると思うんですけど、アコースティック・ヴァージョンの方は4人がスタジオに入って小じんまりした中で演奏した様な仕上がりになっています。アコギ1本でサラッと歌った感じで、コーラスも私の声を重ねずに、オカモっちのハモリしか入れていません。シンプルだけどバンド感のあるスタイルになっていると思います。どちらもライヴ感溢れるという意味では共通しているんですけど、タイプが違っています。同じ曲がこれだけ違うものになるんだというのを聴き比べてもらいたいですね。

●「Doing all right」は初夏を意識して作ったというお話でしたが、その時期にイメージする事ってあったりますか?

中村5月頃って新しい生活に馴染んできた頃で、新入生や新入社員の方はブルー・マンデーになったりすると思うんですけど、そういう時に「Doing all right」を聴いて"今週も頑張ろう!!"と思ってもらえると嬉しいですね。

●岡本さんはこの時期にイメージするものはありますか?

岡本制作活動を中心の生活をしていると季節感を感じる事が少ないので、スーツが馴染んでいない新入社員の方達を見ると、こういう風にして季節が巡っているんだなと思って、ちょっと羨ましいです(笑)

中村この曲を聴いて5月頃の事を思い出すという風になるかもしれませんね。落ち込んだり、嫌な事があった人がこの曲を聴くと、ポジティヴになれるんじゃないかなって。私もそういう風に活用しようと思います(笑)

●「Nora」は先にドラマで使用され、反響を受けて今回急遽収録される事になったそうですね。

中村この曲がテレビで流れた後、メッセージ等で"この曲は何ですか?"みたいな問い合わせが沢山あったとスタッフさんから言われたんです。私達もまさかそこまで反響があるとは思っていなかったのでビックリしたんですけど、そんなに気に入ってくれた方がいらっしゃるんだったら、今回のシングルに収録出来ないかと思って、当初は入れる予定はなかったんですけど、急遽入れる事になりました。

●「Nora」は以前からあった曲だったのですか?

中村「Nora」は「Doing all right」より前に作っていて、メンバーも"良い曲だね"って言っていたし、スタッフさんにも評判が良かった曲だったんです。それで、アルバムを出す事になったら、そこに収録したいなと思っていたんですけど、今回こういう経緯で収録する事になりました。

●全体的に優しくて切ない曲になっていますよね。

中村かなり切ないです。歌詞を読んだ瞬間"うわー、切ない……"と思って、ハッピー・エンドじゃない事にもちょっとビックリしました。

●AZUKIさんから、こういった歌詞が出来上がってくると思っていましたか?

中村全体的な曲のイメージはデモとあまり変わっていないんですけど、詞の世界観だけ抜き取ると、ここまで切ないものが上がってくるとは思わなかったですね。1行読む度に"ええ!? 次はどうなるの?"って……。2番の"見知らぬ誰かと手をつないで来た"という所を読んで"マジで!?"と思ったりしました(笑)

●曲を作る時は、切なさを意識されていたんですか?

中村そういう匂いがする曲にしたいと思っていたので、ひょっとしたらそういう感じがAZUKIさんに伝わって、こういう歌詞が出来上がったのかもしれないですね。でも、ここまで心をぐっと掴まれる様な切ない、リアルな世界観が詰まった歌詞になるとは思っていなかったので、驚きました。

●岡本さんは演奏する時に気を付けた所はありましたか?

岡本曲から受けたイメージが優しいものだったので、優しい気持ちで弾きました。

●猫の視点で書かれた歌詞は、新鮮でしたか?

中村始めの部分を読んだ時は、主人公が"野良猫の様に生きる"みたいな感じなのかと思っていたんですが、最後の一言を見て"本当に野良猫目線だったんだ"と思ってビックリしました。実は初期のデモでは最後の部分は転調せずに、そのまま終わっていたんですね。それを試しに半音上げてみようかと思ってやってみたら、そっちの方が切なさがアップしたので、この形になったんです。自分の曲の中には転調している事があまり分からないけど実は転調しているみたいなタイプの曲が結構あるんですけど、これは本当に転調の見本の様な感じで、分かりやすくてしかもドラマティックに作用しているので、それが切なさを倍増させているから、自分の中では気に入っています。

●この転調で、よりグッときますよね。

中村この曲は聴き所が多いと思います。サウンドにしても歌にしても、色々な所で色々な事をしているというか……。転調があったり、最後はオケがなくなって声だけになったりとか、サラッと聴けるんだけど、1つ1つのパーツを掘り下げると凝った事をしているので、「Nora」の方がGARNET CROWらしさをより感じてもらえるかもしれませんね。

●制作作業はスムーズだったんですか?

中村この曲が割と早く仕上がりましたね。それで歌っている時に、この曲をストリングスのアレンジにしたらどうなるんだろうと思って、"この曲をストリングスのフル・スコアで歌ってみたいんだけど"という感じで古井さんに相談したら、作ってもらえて、それがまた良かったんですよね。それが今回、別ヴァージョンで収録されています。RPG(ロール・プレイング・ゲーム)で使われてもおかしくないくらいのものになっていますね。

岡本[ファイナル・ファンタジー]みたいな世界になっています。

中村テンポもゆったりしていますし、違うヴァージョンとして楽しめるものになりました。「Doing all right」も「Nora」も、歌っているうちに色々なアイデアが浮かんできた曲ですね。

●今までだと、ライヴで育てて違うヴァージョンになった曲はあったと思うんですけど、制作中に別のヴァージョンが生れたというのはあまりなかったのでは?

中村ライヴでやるなら、こういうアレンジで……というのはありましたけど、シングルとして作っていて、別のヴァージョンもやってみようというのは、あまりないですね。しかも今回は1曲がアコースティックで、もう1曲はストリングスでという感じで明確なサウンド・アプローチをしたのは珍しいですね。

●個人的には、「Nora」に登場した野良猫が、この後どうなっていくのか気になりました(笑)

中村凄い気になりますよね! 私も続きが知りたいんですよ(笑)。誰かに会えたのか、それとも会えないままなのか……。

岡本むっちゃ強くなっていたりして……(笑)

中村(笑)。「Nora」に関しては私も続きが知りたいので、AZUKIさんに聞いてみます(笑)

●このストーリーを受けて、中村さんが新たに曲を作るというのは……。

中村そういうのもアリですよね。もし需要があれば、考えてみようかな(笑)

●ちなみにメンバー内で、犬派と猫派に分かれているんですか?

中村私は犬派です。大型犬が好きです。

岡本僕も犬ですね。理想は(携帯電話会社のCMに出ている、お父さん犬役の)カイくん(笑)

中村古井さんは猫を飼っているので猫派かな? AZUKIさんは猫が好きですけど、猫アレルギーなんです(笑)

●今回のシングルは、GARNET CROWにとってどんな作品になったと思いますか?

中村「Doing all right」はポジティヴ・ソングで、凄くパワーがもらえる曲だと思いますし、「Nora」は自分達が持っている世界観を出した"これぞGARNET CROWです"みたいな代名詞的な曲になったと思います。新しい事に挑戦した曲と、自分達らしさを失わない楽曲がバランス良く入った作品になった気がします。

●ちなみに今回の2曲を色に例えると、どんな色になりますか?

中村「Doing all right」は、赤と青と白のトリコロール・カラーですね。

岡本僕はオレンジか黄色というイメージがありますね。

●「Nora」は何色のイメージですか?

中村ベージュですね(笑)

岡本僕もベージュやな(笑)

中村猫の色といえば、ね。この歌詞の猫はペルシャ猫とかそういう種類の猫じゃないもん(笑)

岡本そうやな。街角で見かける、普通の猫な感じがする。

●シングルと同じ日に、ライヴDVDの「Are You Ready To Lock On!? ~livescope at the JCB Hall~」もリリースされますが、ズバリ見所は?

中村今回は特に泣けるんですよ。今までのライヴDVDも感動してウルっとくるシーンはあったんですけど、今回はオープニング映像が終わって、1曲目のイントロからウルっときて、3曲目のイントロで泣いてしまいました(笑)。バラードとかしっとりした曲でウルっとするんじゃなくて、むしろ明るい曲で泣けるという……。凄く一体感が伝わってきました。メンバーもサポート・メンバーも、スタッフの皆さんも、このライヴに向けて徹夜で頑張ってくれていたし、公演直前まで色々と調整してくれていたので、みんなが1つの事に向かって突き進んで、一生懸命やってくれたというのが映像から伝わってきて、それで泣けるというか……。そこにお客さんがいる事で更に一体感が生れて、感動しました。ライヴの時、映像スタッフさんもオープニングから泣いていたという話を聞いたので、それだけ思い入れがあったライヴだったし、リハーサルを重ねてやっと本番を迎えられて、そこで一気に弾けた感じが映像からも伝わってきます。だから最後までがあっという間な感じで見られると思います。

●実際にステージに立ってライヴをしている時と、その映像を見るのとだと、やっぱり感じる部分は違いますか?

中村映像見ながら一緒に踊ったり出来るので、楽しいです(笑)

岡本ぶっちゃけ、ライヴでやる踊り付けを最初に見た時、"これ、ライヴでやるの?"って思ったんですよ(笑)。でも実際にお客さんがバッチリ揃って踊っているのを見ると、凄く楽しそうで、ライヴだと全然アリなんだなって。最初の印象とライヴで見たものが全然違っていて、ちょっと驚きました。

中村あれも初の試みで、どうなるか分からなかったんですけど、皆さん振りの覚えも早くて盛り上がってくれたので、あのコーナーはリハーサルより伸びたんですよ(笑)。もう少しサラっと進むはずだったんですけど、あまりにも楽しくて、結果的にあのコーナーが見所になってしまいました(笑)。このライヴDVDは2枚組でたっぷり楽しめますし、アクティヴなGARNET CROWやしっとりとした曲ではその世界観を大切にした演奏も見られるので、見所いっぱいです。このライヴはもう1回やりたいですね。ライヴの最終日は、これで終わってしまうのが残念な感じがしましたからね。あのライン・アップと演出でもっと色々な会場でやりたかったです。それ位、楽しいライヴでした。

■OFFICIAL WEBSITE www.garnetcrow.com