3rdアルバム『Crystallize 〜君という光〜』をリリースしたのも束の間、1月14日には早くも2004年第一弾シングル「僕らだけの未来」をリリースしたGARNET CROW。更に1月27日からは1年振り待望のライヴ・ツアー「GARNET CROW live scope 2004 〜君という光〜」をスタートさせ、今年も精力的に活動を進めてくれそうだ。そんなGARNET CROWの新作及びライヴについて、中村由利とAZUKI 七が近況を語ってくれた。
--アルバムが出たばかりだというのに、早くも新作がリリースされますね。
中村由利:年明けなので、新年おめでとうございますという事で(笑)。
AZUKI 七:景気付けの御挨拶。今年もよろしく、という感じですね。
--「僕らだけの未来」は新境地を思わせるナンバーに仕上がりましたね。
中村由利:速いけれどグルーヴが違いましたね。もう少し横揺れというか、ちょっとグルーヴィな形にしてたんです。だけど、最終的にはかなりバンドっぽく、すごく勢いが出た感じになったかなって。
--テンポも始めからこんなに速かったんですか?
中村由利:この曲は最初、アルバム収録用に進めていた曲だったんですが、途中でシングルに残しておこうという事になって、アレンジや歌詞もシングル仕様に変えました。最初はもっとラテン系でエスニックな感じで、アルバムの中ではスパイス的な曲になるように仕上げていたんですけど、シングルにするにあたって、どちらかというとちょっとロック寄りなアレンジにしてみました。ラテンの香りはまだちょっと残っていますけど。
--今回は歌のテンポやキーの決め事はありましたか?
中村由利:どちらかというと、そういった歌の決め事の方はスムーズに行ったんですけど、今回珍しく作詞の方が一番時間がかかったかな。
--歌詞はサウンドのイメージに合った非常に希望を持たせる歌詞ですね。
AZUKI 七:すごく前向きですよね。年明け新年、景気付けの一曲という事で(笑)。
--“僕ら”という響きが皆を勇気づけそうだし、大分外に向かってる感もありますね。
中村由利:すぐにライヴもありますしね。自分達の勢い付けも兼ねて、これで勢いに乗って駆け抜けていきたいなと。
--メロディにしても、すごく分かり易い。
中村由利:この曲を書いた時は、イタリア歌曲やシャンソンとか、その辺りを集中的に聴いてた時期だったんです。だからちょっとエスニックな歌い回しだったり、メロディ・ラインだったりというのもあるかもしれません。それに、ラテンと言っても、お日さまが照ってサンサンと明るい国のラテンじゃなくて、ちょっとどこかに影や憂いがあるヨーロッパ寄りのラテンというか。その辺の影響を受けて出てきた曲です。
--作曲の時は、色々な曲を聴いたりするんですか?
中村由利:今回はたまたまですね。その時にはまってる曲があって、多分この時は古いシャンソン、60年代とか50年代の曲を聴いてる事が多かったんです。だから、そういうメロディが出てきたのかもしれませんね。
--中村さんの作曲の幅が、また広がってるような気もしますね。
中村由利:自分の中に何がしかのイメージがあると、書き易いのかも。
AZUKI 七:器用だよね。そのモードにすぐ入れるというか。
中村由利:やっぱり、ラテン系をやるといったらそういう感じになっていくし、別に普通のバラードやりたいとなると、またチェンジして出来ていくし。具体的なものというよりは、そんな感じとか〜風なとかみたいなんですけどね。
--この曲に対して、他のメンバーの感触はどうでした?
中村由利:別に、特に何かというのはなくて「ノリやすいし、いいんじゃない?」みたいな(笑)。
AZUKI 七:メロディや曲調の幅広さは、デモをずっと聴いて慣れているからか、あんまり違和感がないんですよ。
中村由利:もともとの曲ではそんなに驚かれなかったです。歌詞が出来てアレンジが出来てという段階を踏んで作り込んでいくうちに、曲の雰囲気が変わっていくからかもしれませんね。
--さて、このシングルには3曲収録されていますが、テイストがみんな違っていて振り幅も広くて興味深いですね。
中村由利:制作期間がちゃんとあるからみんなそれぞれに時間をかけて作っていけるし、逆にそこで余裕があるから遊べるというか、幅も出てくるかな、みたいな。スケジュールがタイトであっても、精神的に変に追い込まれていない作り方をさせてもらっているので、その分どんな変化にも対応出来るというのはありますね。「僕らだけの未来」にしても、途中でシングル向きに歌詞もアレンジも全然変えてもすんなりとみんな入って行けたし、その辺はやっぱり、ゆっくり制作に取り組めてるからだと思います。
--という事は、古井さんのアレンジや岡本さんのギターにしても、レコーディング作業自体は今回はスムーズに進行していったんですか?
中村由利:特に止まってしまったような事はなかったです。コンスタントにみんないい感じで出来たと思います。
--他の2曲もアルバム制作の延長で出来た曲ですか?
中村由利:「Float World」は、アルバムと並行して出来た曲です。3曲目の「lose feeling」は、この2曲が決まって3曲目にちょっと軽めのライトな曲調が欲しいかなというので書きました。全体的に3曲でバランスのすごくいいものが出来ました。
AZUKI 七:濃過ぎず、薄過ぎずのいい塩梅で、お互いの曲が引き立っていいかな、という感じはありますね。
--2曲目の「Float World」なんですが、これはいかにもGARNET CROWらしい曲ですね。
中村由利:一番“らしい”って言えば“らしい”曲ですよね。自分達でもすごく得意なところだから、歌詞もメロディもアレンジにしても自分達の好みが出ていて面白いんじゃないかなと思います。
AZUKI 七:ギターも岡本さんの泣きメロが出てるしね。結構みんな好きな事をやって、出るところはガンと出てる、という事ですか(笑)。
--岡本さんも随分主張が出てきましたよね。
中村由利:“このソロは任せろ”って感じが大分出てますよね(笑)。
--イントロのヴォーカルにフィルターがかかってるのも興味深いです。
中村由利:これは、サイバーサウンドのミゲルさんとやらせて頂いたのですが、最終的にこういう形にしてもらって、私的にはすごく楽しかったです。すごい浮遊感と言うか浮いてる感じがより際立って良かったなって。
--そこでは、何かリクエストをしたんですか?
中村由利:いや、前段階でもう全部歌も入れて歌詞も仕上げて、完成しているものを更にミゲルさんにやってもらったので、特にはないですね。だから逆に遊び心溢れると言うか、こちらも新鮮な感じを受けました。リアレンジまで行かないけれど、自分達が作ったものを更にもう一段階ひとひねりしてくれたという感じです。
--ミゲルさんは歌詞の意味も理解して、あの浮遊感を演出したんですかね。
中村由利:いや、そこまでは(笑)。歌詞の響きとか意味とか言葉とかじゃなくて、言葉の響きだったり、音のフィーリングで全部作ってる感じはします。自分達だと、どうしても言葉の区切りとかを考えてしまうじゃないですか。ここまでが1フレーズとかここで一語とか、その歌詞が日本語だけに意識していなくても意味は分かるから。そこでなかなか発想の転換がしにくかったりするんですけど、日本語が分からないからこそ出来るミゲルさんの音作りがあるんでしょうね。
中村由利:分からないメロディも音として、ヴォーカルも1つの楽器として捉えているからああいうものが出来るという。それが逆に新鮮で気持ちいいです。
--ミゲルさんはGARNET CROWの初期から携わっていらっしゃいますよね。
中村由利:だから、すごくいい感じ。自分達への“新しい風”と言うか、新しく何かをガラッと変えるんじゃなくて、私達の持っているものを更に別の視点から引き出してくれる。
AZUKI 七:自分達が気付かなかった所を上手くいじってくれるので新しい発見にもなるし、すごくやってて楽しいですね
--3曲目の「lose feeling」もなかなか面白いナンバーですね。
中村由利:ライトでちょっとシンプルで切ない感じにしたら、他の曲とも一番相性がいいんじゃないかなと思って。
--ピアノは80年代AOR風な感じがあります。ストリングスのアレンジもなかなか素敵ですね。
中村由利:すごい綺麗にまとまってますよね。これは、もともとデモはソロ・パートでファルセットを使っていて、全体の印象はもっとふわっとした感じの優しい曲で書いてたんですけど、歌詞が上がってオケが上がって歌ってみた時に、ファルセットだとふわっとし過ぎて芯のない感じがしっくりこなかったので、地声の張った歌い方でサビを急遽変えて歌いました。声を張った方が切ない感じがより出ていいんじゃないかって。
--完成までに色々なヴァージョンがありそうですね。中村:ありますよ。この曲に限らず。それだけで1枚アルバムが作れそうな位の勢いです(笑)。
AZUKI 七:歌詞のテイク1、2、3とかアレンジのテイク1、2、3とか……。ヴォーカルの違う感じのもあるし、アカペラとかもありますね(笑)。
中村由利:それはもう毎回、どの曲にもありますね。それが普通になっているというか、特別だという感覚はないですね。一番いい形になるまでみんなが絶えずやり直す、そのやり方の方が私達はしっくりくるかな。
--じゃあ、AZUKIさんの歌詞も結構ガラッと変わったり?
AZUKI 七:曲によってはガラッと変わるのもありますよ。
中村由利:「僕らだけの未来」も全然違う終わり方だし、歌い回しが変わったらそこで歌詞も変わるので、すごく沢山ヴァージョンはありますね。
AZUKI 七:全部通して聴いてみて、歌詞が違うと全然イメージは違いますからね。
中村由利:歌詞でも言葉の区切り方とか、そのメロディと言葉の組み合わせ方によって聴いた感じは全然違ってくるし、特に強く感じる部分が違いますね。
AZUKI 七:というわけで色々変わるので、何回もやって頑張ってます(笑)。
--レコーディング中にその場で変えてしまったりする事もありますか?
AZUKI 七:もちろん、ありますよ。
中村由利:歌ってみてこっちの方がハマりがいいなと思ったら、その場で変える事もあるし、もう一度歌い比べてみて、聴き易かったり聴き取り易かったりする方を選んだりとか、色々やってます。
AZUKI 七:一旦出来たものをやってみてから、それで“さぁ、考えよう”という感じですね。
--今回のシングルは、この時期のリリースという事もあって、ある程度その後に控えているライヴを想定して作ったんでしょうか?
中村由利:結果的にそうなりましたね。リリースのタイミングを考えると全く考えないでもなかったかな? この曲を聴いてもらってライヴに行きたいなぁと思ってもらえれば嬉しいですね。
--そのライヴ・ツアー「GARNET CROW live scope 2004 〜君という光〜」がいよいよ1月27日よりスタートしますが、どんな内容になりそうですか?
中村由利:あんな曲、こんな曲をいっぱいやろうと思ってます。
AZUKI 七:あんな曲も、ほー、こんな曲もみたいな(笑)。
--ツアー・メンバーも前回と同じですし、気持ち的には安泰?
中村由利:もちろん安心して、信頼して進めています。
--何か演出的な事はあるんですか?
中村由利:ヒミツ(笑)。
AZUKI 七:秘密がいっぱい! それは実際に見て下さい(笑)。
--では、最後に今回のライヴについての抱負をどうぞ。
AZUKI 七:会場が大きくなった分、初めて来られる方も多いと思うので、ちゃんと名刺代わりになるような曲から、2回目の方も楽しんでいただけるような構成で頑張ります。
中村由利:いっぱい来て下さいね。
AZUKI 七:ライヴ会場でお待ちしてます。