VOL.146 livescope 2006 SET LIST・LIVE REPORT(後半)
music freak magazine Flash Back GARNET CROW 10th MemoriesP.157
●○○ From music freak magazine Vol.146
【SET LIST】
1.Anywhere 2.Rusty Rail 3. Holding you,and swinging 4.かくれんぼ 5.HAPPY DAYS? 6.向日葵の色 7.やさしい雨 8.WEEKEND 9.call my name 10.君の思い描いた夢 集メル HEAVEN(岡本vo.) 11.籟・来・也 12.まぼろし 13.Holy ground 14.Timeless Sleep 15.夢・花火 16.風とRAINBOW 17.夢みたあとで 18.マージナルマン 19.Last love song 20.空色の猫 21.今宵エデンの片隅で
<ENCORE>
1.A crown 2.この手を伸ばせば 3.僕らだけの未来
議な世界観に、観客はぐいぐい引き込まれっていった。独特な音世界は次の「HAPPY DAYS?」でも展開され、予測不可能な選曲に観客は少し戸惑いながらも楽しんでいる様子。その後のMCで中村が言った、今回のアルバムとツアーでは“初心に戻って作品を見つめ直す”という事をテーマに掲げていたという話から、今回のライヴではGARNET CROWの楽曲を今まで以上にしっかり伝えようとしている想いが伝わって来た。続いて披露されたのはメンバー全員が特に気に入っているという「向日葵の色」。スクリーンに映った無数の向日葵は楽曲の持つ壮大さを思い起こさせ、そこに流れる4人の音と声が会場の隅々まで広がって行く。
ライヴの中盤では、様々な表情を見せる楽曲が次々に登場。「やさしい雨」でテンポ・アップしたかと思えば、「WEEKEND」で中村の歌声とAZUKIが奏でる鍵盤の音色が折り重なって美しいハーモニーを聴かせ、「call my name」で客席と一体になった。
ライヴ中盤では、GARNET CROWのライヴでは欠かせないものになっている、岡本がヴォーカルを担当するコーナーが今回も設けられ、「君の思い描いた夢 集メル HEAVEN」を披露。曲が始まると、驚きと嬉しさが合わさったような歓声が客席から上がった。カラリとした岡本の歌声が楽曲に新たな色を与え、中村のタンバリンとコーラスがそこに花を添える。会場が和やかな雰囲気になった後、ステージに4人のストリングス・メンバーを迎え入れた。今回のライヴの見所の1つでもある、ストリングス・アレンジが施されたナンバーが続く。「籟・来・也」はPV映像が映し出されたスクリーンをバックに、中村が切々と歌い上げる姿が印象的で、会場がストリングスによってスケール・アップした楽曲の世界観にどっぷりと浸っていくのが分かった。「Holy ground」では傍に寄り添ってくれているような暖かさが、「Timeless Sleep」ではザクザクとした岡本のギターが耳を刺激する。ここで今回のツアー・メンバーである黒瀬蛙一(Dr.)、大橋雅人(B)、大賀好修(G)、苅田盛介(G)らが紹介され、ライヴは後半戦に突入した。
「夢・花火」では赤いライトに照らされた、情熱的なヴォーカルを披露する中村がステージの左右を移動。その勢いは新曲「風とRAINBOW」にも飛び火し、ロックとラテン・サウンドの融合によって生まれたグルーヴが、客席に放たれる。中村は観客を煽るアクションをしたり、間奏中に上着を脱いだりと、まさに動の全開状態。ドラマティックな曲の展開に観客は一気に引き付けられ、会場全体が1つの大きな熱気の塊になっていく。ヒート・アップした状態をMCで少しクール・ダウンさせた後、「夢みたあとで」がストリングス・アレンジで披露。GARNET CROWが今まで育ててきた大切な1曲という事が、存在感たっぷりの演奏と切々と歌い上げる中村の歌声から十分過ぎる程伝わって来て、ステージと客席が音楽で繋がっている事を確信した。ここでストリングス・メンバーが紹介され、拍手で送り出した後、ライヴは本編最後まで一気に駆け抜ける。軽快なリズムに合わせて観客が左右に手を振る「マージナルマン」では会場が一気に華やぎ、「Last love song」で歌詞の世界にぐいぐいと引き寄せ、「空色の猫」では観客とメンバーの距離が更に縮まり、「今宵エデンの片隅で」でスパークした。明るく照らされた客席を見つめながらプレイする古井の表情はとても嬉しそうで、ステージの端から端まで歩く中村は客席に向かって拳を突き上げ、サビ部分では“愛をください!”と言い放った。観客もそのパワーに負けないように、ステージに向けて拳を上げて応える。その熱気の高さは、本編が終了してメンバーがステージを去ると同時に巻き起こったアンコールのヴォリュームの大きさが物語っていた。手拍子の大きさが更に高まる中、メンバーが再び登場。
アンコールの1曲目は「A crown」。インディーズ・アルバム『first kaleidscope 〜君の家に着くまでずっと走ってゆく〜』の最後に収録されていた曲であり、ファンの間でも人気の高いナンバーだ。スタンド・マイクに身を委ねて歌う中村は、歌詞を伝える事に集中しているように見えた。アンコールでのMCでは、2007年はGARNET CROWにとってデビューして7年目の年である事、そしてメンバーは7に縁深いという事などを説明し、2007年は“7”を掲げて活動していくと宣言。それに先駆けて、2月21日に両A面シングル「風とRAINBOW / この手を伸ばせば」「この手を伸ばせば/風とRAINBOW」をリリースする事も発表された。嬉しい知らせの連続に、客席は大騒ぎになったのは言うまでもない。そこで一呼吸置いた後、「この手を伸ばせば」が初披露された。真剣な面持ちで歌う中村と、楽曲を丁寧に紡いでいくメンバー。独特の緊張感がステージと客席に漂う中、シンプルでありながら壮大で、聴き手の心を打つこの曲は、確実に会場の隅々にまで広がっていった。客席からステージに向けられた視線は、1つ1つの音を聴き逃さぬようにしていて、とても印象深い光景だった。そしてライヴは本当のラストへ……。最後を飾ったのは「僕らだけの未来」。イントロが流れた時点で客席の盛り上がりは最高潮に達した。観客は思い思いに手を振り、メンバーもそんな客席の様子を見ながら満足そうな表情を浮かべている。それぞれの持っている力がぶつかり合った時に発生するパワーを見せつけられた気がした。
今回のGARNET CROWのライヴは、今までのライヴの流れを一度壊して新たに構築されたものだった。そこにはメンバーの純粋に楽曲を楽しんで聴いてもらいたいという強い想い、そして最新アルバム『THE TWILIGHT VALLEY』の音世界をライヴという形にして届けるという使命のようなものが感じられ、その気持ちはしっかりと観客に届いていると確信した。
2007年を迎え、GARNET CROWの新たな音楽活動はスタートしている。常に進化し続けている彼らが、次のライヴではどのようなステージを見せてくれるか、今から楽しみでならない。