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Es VOL.2 [Special Countdown Live 2009-2010]LIVE REPORT(前半)
music freak magazine & Es Flash Back GARNET CROW Final MemoriesP.012
●○○From music freak Es Vol.2
GARNET CROW
SPECIAL COUNTDOWN LIVE
2009-2010
2009.12.31@NHK 大阪ホール
NHK大阪ホールは大阪城の近くにあり、付近は大変寒く大晦日の夜は人通りも車もまばらだったが、会場に入ってみると既に熱気で温もっていて、僕は思わず上着を脱いで薄着になった。
着席してしばらくして客席の明かりが消えた。楽器がちりばめられた濃紺色の暗闇のステージにSEが流れてくる。まだ夜明けになっていない星空と下界が□で1つに繋がって、境目がなくなっているかの様だ。都会ではなく□のイメージ、しかも太古の人類の息吹すら感じさせてくれる、時空を超えた懐かしい旋律。古井弘人が制作したというSEを僅か1分位聴いただけで、十分GARNET CROWの世界に浸っていけるのである。
暗転の中バンド・メンバーに続いてGARNET CROWがステージに登場すると、歓声がひときわ大きくなり「Elysium」でライヴがスタート! 会場は早くも総立ちになっている。カウントダウンという特別な意味を込めた晴れ舞台を意識して、GARNET CROWは各々フォーマルな衣装に身を包み、今はまだ弾ける力をぐっと溜め込んでいる様に見えた。ステージ背後にはGARNET CROWの白い文字が浮かび上がり、ステージ中央は赤いアールデコ調のカーテンで飾られている。その上品なムードは2005年12月に開催された中央公会堂のライヴを彷佛とさせつつ、さらに静謐な世界観を醸し出している。
2曲目の「call my name」では、ライトは手前で青、背景はオレンジになり、サビでピンスポが光を放ち、刻々と明けて行く大空の中に居る気分になってくる。プレアデス星団の様な背景が一転して虹色になりプリズムがゆっくり回って、今夜の祭典の幕開けを告げてくれている様だ。ちなみに今回のライヴは全曲通して照明と背景が非常に綺麗だった。中村由利は凛として力強く、それでいて女性的に優しく歌う。古井のアレンジしたストリングスが華麗に広がり、AZUKI七が絶妙のグルーヴでキーボードを奏で、間奏では岡本仁志がエネルギー溢れる情感篭ったギター・ソロを弾き、2曲終わった所で盛大な歓声と拍手が巻き起こった。
"皆さんこんばんは! 私達の初めてのカウントダウン・ライヴへようこそ! 大変緊張しておりますが、皆さんと共に年を越せるのを楽しみにしていました" という中村の明るく素直なMCで、会場もメンバーも緊張が和らいだ。次はサポート・メンバーの苅田盛介がアコースティック・ギターに持ち替え、しっとりと「夕月夜」。静かな落としサビ部分での中村のヴォーカルに施されたディレイも、静寂さを印象付ける形で心に染みる。後に続く「まぼろし」では、今度は岡本のアコースティック・ギターのアルペジオで始まり、間奏ではソロを奏でる。そこに中村のファルセットのフェイクも天高く響く。エンディングはAZUKIが軽やかな中にもエネルギーを垣間見せてくれるピアノのフレーズが絡み、そのままメドレーで「Go For It」。一転して力強い演奏になると、会場も高揚感に包まれていく。「Timeless Sleep」ではAメロはしとやかに、そしてサビ直前はブレイクしてメンバー全員の気迫で、サウンドが一気にスパークして広がるという、このコントラストもGARNET CROWならではの醍醐味だ。サポート・メンバーの大橋雅人のベースも格好良いフレーズで唸る。中村と岡本が退場し、最後は古井らしいアジアン・テイストなシンセで曲は幕を閉じる。
その後ステージは転換してアコースティック・コーナーへ切り替わる。2009年のツアーでも御馴染みになった中村と岡本2人だけのユニット形式。ステージに現れた2人は「お正月」を即興的に披露。"早く来い来い" の1つ目の "来い" のコードをEに変え、その1つ目の "い" の音を通常より半音高いG♯で歌うという憎い演出付きだった。彼らは音楽やトークはもちろん、今みたいな楽しい事も全て真剣に全力で取り組んでいるが、その姿勢が滲み出ていて嬉しい。
「君の家に着くまでずっと走ってゆく」は原曲と違ってサビが倍テン(テンポは同じだが2倍のテンポ感になるようなアレンジ)になるのが特徴的だ。"深い時間帯にぴったり、満天の星空を思い浮かべながら聴いてください" という紹介で始まった「夜深けの流星達」は、ライヴ初披露の為か敢えて背景は無く、照明もシンプルに天井の青、オレンジ、黄の丸いライトのみ。それが非常に想像力をかき立て、曲の世界に誘われた。「クリスタル・ゲージ」では中村がピアノを披露。岡本がMCで "スコットランドみたい" と紹介していた通り、"La La La〜" という歌い出しから遠い北国に連れ出してくれる。次の「夢のひとつ」は中村の静寂を優しく溶かす様な歌声に絶妙なピアノの弾き語り、それに応える様にBメロのコード等を切なく弾く岡本のアコースティック・ギターという構成は、元々アコースティックのアレンジで作られていたのではないかと錯覚してしまう位の出来映えだ。次のトークで、中村がユニット名を発表した! "ミニ・ガーネットクロウ" を略して "ミニクロ"。CDを2010年のツアーでの限定販売する予定だと言う。最後に「水のない晴れた海へ」でアコースティック・コーナーを締めくくり、再びステージは転換してメンバーが勢揃いした。
本編の中盤はまず16ビートのグルーヴを感じさせる「Naked story」で徐々にアクセルを踏んでいき、「wish★」に突入。間奏では古井のシンセ・ソロが盛り上がり、その後の中村の声にはプラグインによるエフェクトが掛けられており、まさに会場に解き放たれて行く様だった。彼女はエフェクトや前述のディレイ等をライヴの要所に使い、表現の1つとして大切にしている。しかしその直後のトップGというとても高い音程でさえも、地声で楽に歌っていた。願い希なるハイ・レベルなヴォーカリストだという事も書き添えておきたい。
その次の「花は咲いて ただ揺れて」が始まった時、僕は2009年のツアーでのAZUKIのトークを思い出した。"花は異性をおびきよせるために咲く" という様な解説だったと記憶している。どの曲も聴いていると、作曲担当の中村が作詞をしているかのように言葉が伝わって来るが、それだけAZUKIの歌詞が普遍的であると同時に、中村との相性も素晴らしく良いのだろう。彼女の書く詞の世界は、日常の何気ない景色や思いを綴ったものから、哲学的な意味合いのもの、幻想的な世界のものまで、実に幅広く堪能出来る。
イントロはAZUKIのピアノのアルペジオに岡本の切ないギターで奏でられ、サビのブレイク等の仕掛けは全楽曲をアレンジする古井の熱い魂が、曲に吹き込まれる。この4人各々の知恵と汗と勇気が折り重なって1つになって、GARNET CROWに何倍もの相乗効果を与えてくれている。この "4人" というのは "偶然" ではなく "必然" なのだろう。最後のサビのブレイクもサポート・メンバーの黒瀬蛙一のキックはまさに渾身の1発、その後の6連のフィルも切れ味抜群でステージのメンバーを触発している。岡本の激しいギターでクライマックスを迎え、その後の「Love Lone Star」ではその余韻を既に楽しむかの様にサビのクラシカルなメロディが走馬灯の様に会場と頭の中を木霊して、背景は花火模様で彩られ、壮大に明るくエンディングを迎えた。
ステージ上のGARNET CROWらしいアールデコ調の赤い階段がはっきりと照らし出される中、"皆さん!やり残した事はないですか?" というMCの後、中村が "それでは時計を見てみましょう" と言うと、背面に映し出された時計は2010年まであと1分を切っていて、ビックリする程ピッタリだった。
20秒前から会場と一緒にカウントダウン。カウントダウン終了と同時に銀色のリボンが特攻の破裂音と共に飛び出して、黒瀬の力強いドラムで演奏開始! "明けましておめでとうございます!" の言葉と共に、会場が、メンバー全員が、この瞬間の至福の気分を体全身で表し