Es VOL.4 [Happy 10th Anniversary livescope 2010 〜THE BEST TOUR〜]LIVE REPORT
music freak magazine & Es Flash Back GARNET CROW Final MemoriesP.015
●○○From music freak Es Vol.4
GARNET CROW
Happy 10th Anniversary livescope 2010 〜THE BEST TOUR〜
2010.2.27@東京国際フォーラム ホールA
デビュー10周年を迎えるにあたり、2月10日に発表したベスト・アルバム『THE BEST History of GARNET CROW at the crest...』を掲げて開催した全国ツアー[Happy 10th Anniversary livescope 2010 〜THE BEST TOUR〜]が、先月無事に幕を下ろした。お祭り的な要素も持っていた今回のツアーだが、その核にはメンバーの "感謝の気持ちを伝えに行く" という大きなテーマがあったのも事実。今までのライヴ・ツアーの中で1番盛り沢山かつ、聴き所の多いステージとも言える今回のツアーから、本誌は2月27日に東京国際フォーラム ホールAで行われた、初日公演の模様をレポートする。(TEXT BY YUKI TACHIBANA)
昨年のライヴ・ハウス・ツアーの赤坂BLITZ公演から約3ヶ月、東京でGARNET CROWのライヴがこんなに短いスパンで見られるのは、稀な事だ。しかも今回の会場は東京国際フォーラム ホールA。ベスト・アルバム『THE BEST History of GARNET CROW at the crest...』を掲げた全国ツアーの初日公演とくれば、オーディエンスの期待も高まって当然である。ステージを見ると、ツアー・ロゴと10周年記念ロゴがプリントされた幕と、そこに向けられたガーネット・カラーのライトが一際目を引く。2階立てのステージが会場の広さを物語っていて、これからどんな事が起こるのか楽しみが増してきた。
ライヴは定刻通りにスタート。暗転したステージに次々にメンバーが現れると会場から大きな拍手が起こる。岡本のハードなギターが轟いた後、歌い出しと同時に2階ステージ中央からポップ・アップで中村が登場!! オープニングを飾ったのは「涙のイエスタデー」だった。出だしから驚きの展開にどよめいたオーディエンスも、次の瞬間には歓声を上げてステージを見入っている。"皆さんこんばんは! 今日はよろしくお願いします!!" と中村が元気良く言い放ち、サビ部分では早速オーディエンスにマイクを向ける等、初っぱなから飛ばしまくりだ。彼らのステージは序盤でじっくり聴かせて後半で一気に爆発するというタイプの流れが多かっただけに、この展開はかなりの冒険。ライヴ・ハウスで見せた "動" とはまた違う、GARNET CROWの快活な部分を見せられた気がした。"デビュー10周年のお祝いをしたいので、皆さん最後まで楽しんでいってください!!" というコメントの後に披露されたのは「Mysterious Eyes」「夏の幻」。当時のヴィジュアルがスクリーンに映し出され、改めて10年という年月を噛みしめながらも、洗練されたアレンジで楽しめる今を実感した人も多かったのではないだろうか。彼らの音楽は時代を感じさせるというよりも、音楽そのものの佇まいを居心地の良い形にして届けてくれるタイプ。スタイリッシュでクールな新曲「As the Dew」で会場を引き締める様子を見ながら、"エヴァー・グリーン" という言葉が頭の中をよぎった。ベスト・アルバムのタイトルにある "crest" とは "頂上" という意味。"これからも上を目指して行きます" と中村が力強くコメントした時、スポット・ライトに照らされたメンバーの真摯な姿が印象的だった。一見、淡々としているイメージが強いGARNET CROWだが、これまでに発表してきた楽曲を聴けば、彼らが表情豊かな音楽を輩出しているのは一目瞭然。シングル曲に限らず、カップリング・ナンバー、アルバム収録曲において、人気ナンバーが数多く存在する事が何よりの証拠だ。そんなファンの想いに応える様なセット・リストが、このライヴでは用意されていた。「夕立の庭」で会場を温かい空気に包んだ後、「千以上の言葉を並べても...」から比較的しっとりとしたナンバーが続き、「風とRAINBOW」から徐々にアグレッシヴに……。ミラーボールの光が降り注ぐ中、中村が2階ステージに移動し、AZUKIが奏でるヴィヴィットなフレーズが響き渡る。エキゾチックな雰囲気を持たせたまま突入した「wish★」ではオーディエンスもステージに手を向けて応戦。「Clockwork」や「Crier Girl & Crier Boy 〜ice cold sky〜」という最近のライヴで披露されていなかったナンバーを盛り込む等、まさに隙のない構成だ。ライヴの序盤を締めくくったのは「Timeless Sleep」。ブルー・ライトがきらめくステージは幻想的な空間になり、中村はスタンド・マイクに身を委ねて切々と歌い上げる。古井とAZUKIが織り成す旋律は風の様に吹き抜け、脈打った音が耳に染み込んでいく。一気に駆け抜けた序盤戦で思い切り五感を刺激された所で、メンバーは退場。次なる展開は、中村と岡本によるアコースティック・コーナーだった。
昨年のライヴ・ハウス・ツアーやカウントダウン・ライヴですっかり定着したこのコーナー。ステージ中央にセットされたスペースで、アット・ホームに演奏するのが魅力だ。しかも選曲が斬新で、この日も「籟・来・也」を原曲よりワイルドなアレンジで披露。ここで "MINIQULO" なるユニット名が発表され、ライヴ会場で限定販売するCDを作成した事を告げると、会場から拍手が起こった。「恋のあいまに」では中村がキーボードの弾き語りを披露。岡本とのハーモニーが堪能出来る貴重なナンバーとなった。更にオーディエンスの拍手で次にやる曲を決めるという、ライヴならではのお楽しみが用意されており、この日は「夜深けの流星達」を聴く事が出来た。シンプルな構成だからこそ、それぞれの楽曲の良さを気付かせてくれる贅沢なひと時となった。
改めてメンバーを迎え、ライヴも後半戦に差し掛かる。オーディエンスの視線がステージに注がれる中、この10年間についてメンバーがコメントしていく。古井はGARNET CROWサウンドをこう構築するにあたって悩んだ事もあったが、好き勝手にやらせてもらえたのはメンバーと皆のお陰、AZUKIは今日という日が当分の間、思い出深いものになると言うと、言葉を選びながら話す。岡本が充実していたからこそあっという間だったと言った後、中村が10年間支えてくれたスタッフと皆にありがとうを伝えた。メンバーの思いをしっかり受け止めたオーディエンスに向けて演奏されたのは「夢みたあとで」。1つ1つの音に思いを込めて曲が進む中、中村が感極まる一幕もあり、この曲がメンバーにとっていかに大切な楽曲であるかという事を改めて知らされる事になった。その思いに応えるかの様に「Holy ground」ではオーディエンスが一斉にブルーのサイリウムを掲げ、会場が瞬く。メンバーとオーディエンスの気持ちが重なり、会場が1つになった。この後も胸を締め付ける様な旋律の「call my name」、生命力を感じずにはいられなかった「世界はまわると言うけれど」と、じっくりと聴かせる曲が続き、ライヴは終盤に向かって突き進んでいく。
ここからは「二人のロケット」を筆頭に、後は盛り上がるだけと言わんばかりに軽快なナンバーが登場。バンドのメンバー紹介を経て「雨上がりのBlue」で心地良い一体感を得た後は、ノリノリ・モードのまま「君の思い描いた夢 集メル HEAVEN」に突入。細かな手拍子が会場にこだまし、熱気を帯びて迎えた「今宵エデンの片隅で」では、メンバーとオーディエンスのパワーのぶつかり合いを楽しんで本編終了となった。
会場の力強いガーネット・コールを受けて登場したメンバーが、アンコールで披露したのが「「さよなら」とたった一言で...」。中村の歌声が会場の隅々にまで広がり、ハート型の紙がステージ上部からゆっくりと降ってくる光景は、センチメンタルな気分にさせてくれた。その後も4月14日にリリースされる新曲「Over Drive」がいち早く披露されるという嬉しいサプライズも加わり、至福に包まれたステージは「スパイラル」で幕を閉じた。体全体でライヴを堪能しようと、ステージ上で動き回っていたメンバー。特に古井と岡本の少年の様にはしゃぐ姿は新鮮で、10年という音楽活動を経ても尚、純粋に音楽を楽しめる環境にある事の素晴らしさを感じずにはいられなかった。終演後、いつも以上に清々しさを感じたのは、ステージと客席の間で繰り返し行われた感謝の気持ちの交換によるものだと確信。楽曲を通じて絆を深めたメンバーとオーディエンスの関係を見せつけられたステージだった。
【SET LIST】
01. 涙のイエスタデー 02. Mysterious Eyes 03. 夏の幻
04. As the Dew 05. 夕立の庭 06. 千以上の言葉を並べても...
07. Jewel Fish 08. 夢のひとつ 09. 風とRAINBOW 10. wish★
11. Clockwork 12. Crier Girl & Crier Boy 〜ice cold sky〜
13. Timeless Sleep[Acousticコーナー]14. 籟・来・也
15. 恋のあいまに 16. 夜深けの流星達 17. 水のない晴れた海へ
18. 夢みたあとで 19. Holy ground 20. call my name
21. 世界はまわると言うけれど 22. 二人のロケット
23. 雨上がりのBlue 24. 君の思い描いた夢 集メル HEAVEN
25. 今宵エデンの片隅で
[ENCORE]
26.「さよなら」とたった一言で... 27. Over Drive(新曲)
28. 僕らだけの未来 29. スパイラル
●今回のツアーの移動中、読書をする様になったという岡本仁志さん。ふらっと本屋に出掛けて、気に入った本を買う事が増えたそうです。