Es VOL.5 more GARNET CROW life Vol.5 小島巌インタビュー
music freak magazine & Es Flash Back GARNET CROW Final MemoriesP.031
●○○From music freak Es Vol.5
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小島巌さん INTERVIEW
『first soundscope 〜水のない晴れた海へ〜』について
色々やらせて頂いたジャケットの中で、"1番思い入れのあるものは?" と聞かれると迷いますが、やはりこの『first soundscope 〜水のない晴れた海へ〜』ですね。僕自身がGARNET CROWのジャケット制作に対して真摯に向き合って作れた最初のジャケットで、"GARNET CROWというものとちゃんと出会った"、という実感を味わえたジャケットでした。
新人バンドという事で、テーマがはっきりしていないと作りにくいというのがあって、企画の段階で色々試行錯誤しました。そんな中で、当時GARNET CROWの音楽が雑誌等で紹介される際に、"ネオ・アコースティックを彷彿させる" という言葉をよく目にしたので、それをキーワードに色合いや構図等を考えていきました。この頃はメンバー皆さんスケジュールを合わせる事が難しくて、それぞれ別の時間に撮影する事が多かったです。このジャケット写真も実は、椅子だけ動かさずに構図を最初に決めておいて、4人別々に撮影をしました。でも合わせてみると妙に一体感があって良い手応えを感じました。
皆さんまだ撮影の経験がそんなにない頃で、中村さんはポーズなんて全然取れないんですけど、撮った写真に対して具体的に "もう少し視線を上げてみましょうか?" とか、そういう研究心はこの頃から積極的に持って撮影に臨まれる方だったので、あまり撮影に苦労したという記憶はないですね。逆にAZUKI 七さんに関しては、ふとした佇まいもパリッと決まる方で、まるでモデルさんの様に写ってしまうので、"もう少し姿勢を崩してみて下さい" とか "普通にして下さい" ってお願いをしたんです。そしたら腕を組んで考え出して "普通ってどういう事? 私は普通のつもりなんですけど、どうしたら良いんだろう??" って悩まれ出して(笑)。そんな感じで撮影を進めていったのを覚えていますね。男性陣に関しては、当時と今となんら個性の発揮の仕方は変わっていなくて、この頃から自分達の世界観や良いキャラクターを発散されていたな〜と感じます。
「涙のイエスタデー」について
ビートルズの「YESTERDAY」みたいなものにしようというコンセプトで作成したジャケットです。"1枚位メンバーが笑っている写真のジャケットも良いんじゃないですか?" と僕から提案させて頂きました。ご本人達もこの楽曲に関しては楽しみながらジャケット制作をしていきたいという思いと、デビューから何作か出されてきた中で、ずっと同じテイストでは嫌だという気持ちもあった様で、たまにはこういうくだけたものに挑戦してみようという意見でまとまりました。結果ファンの方々にも好評の様で良かったです。
『STAY 〜夜明けのSoul〜』について
『STAY 〜夜明けのSoul〜』は構想1年の末に完成したジャケットです。あるライヴの控え室で中村さんから、"次のアルバムのジャケットのイメージが決まりました!! [滝]です!" と突然言われまして(笑)。"滝が白煙の様にキラキラと舞い上がっている中に私達が居る、そんなイメージです" って言うので、当初は本当にイグアスの滝までロケに行こうかっていう話にもなっていたんですよ。メンバーの後ろに滝があって、霧が舞い上がる中に虹みたいなのが架かっているっていう、そんな神秘的なイメージでしたね。でも実際滝に行ってみた所でイメージ通りの写真が撮れるかというと、それはそれで現実的には難しい話なんですよね。そうやって話を煮詰めていった中から、滝じゃなくても例えば朝もやの中で霞んでハッキリと見えない風景の中に自分達がいて、副題にもなっている "〜夜明けのSoul〜" っていう、そういうSoul感を出して欲しいという話でまとまっていきました。
撮影は滝だったり、森だったりコンセプトを作って進めていきましたが、最終的に初回盤Bは、通常盤の写真を撮る為に行った和歌山の方のヨーロッパ調の建物で撮影したヴァージョンが選ばれました。AZUKIさんも最初に初回盤Bのジャケを選ばれたので、"何でコレ?" って尋ねたら、"収録されている曲がよく聴こえる感じがする" っておっしゃっていました。そういう感じで、もっとデザイン的にとか色合い的に良いものもあったんですけど、最後はみんな感性で選びましたね。
ちなみに中に入れるブックレットもいつもテーマを決めるんですけど、この時のテーマは[南仏]。南フランスのイメージでまとめています。
『THE TWILIGHT VALLEY』について
デザインをさせて頂いている立場の僕が、個人的にあまりカラフル過ぎる配色とか、ビビッド過ぎるものには抵抗があって、色に関しては、少しにごらせたり、微妙な色合いを重ねたりして、ストレート過ぎない表現をしたりする事が多いかもしれません。ただいつもダミーを何種類も作って、最後の最後まで "こっちの色が良いんじゃないかな?" という感じで切磋琢磨しながらメンバーの皆さんやプロデューサーやスタッフと一緒に決めています。
だけど唯一この『THE TWILIGHT VALLEY』だけはすごく具体的なイメージ図が中村さん始めメンバーにありました。誰もいない海岸線に真っ赤な夕陽が照らし出されて、そこに居る私達みたいな……。それを実現する為に相当時間をかけて撮影場所を探しました。
で、撮影当日は神がかり的な事が起こったんです(笑)
この日はもう1つ別の撮影も予定されていて、まずは別の方の撮影からスタートする予定でした。でもあいにく出発した時大雨だったんです。とりあえず第1ポイントまで行って判断しようという事になり向うと、ラッキーな事に到着時には空はカラッと晴れて無事撮影が出来ました。そしてこの日2つ目に予定されていた『THE TWILIGHT VALLEY』の撮影場所に移動しようとした時、また大雨が降って来てしまったんです。いざ移動を始めるとワイパーがきかない位のドシャ降りになってきて、"行くだけ無駄だろ!" という雰囲気になって半ば諦めていました。しかし撮影場所に到着すると、さっきまでのドシャ降りが嘘の様な綺麗な夕焼け空が広がって! 雨上がりだから余計空の色も綺麗で、まさにジャケットの色の様な鮮やかな夕陽で、雲の隙き間から光がパーッと射してきて。本当にあの日は感動しましたね。準備から撮影当日、仕上がりまで、満足のいく作り方が出来たジャケットでした。
『THE BEST History of GARNET CROW at the crest...』について
先程色の話が出ましたが、今年2月にリリースしたベスト・アルバムの初回限定盤は、ピンク地にゴールドの文字に決まるまでにダミーを50種類位作りました。ひと通り考えられる組み合わせは全部作ったという位、パッケージのダミーを作って印刷にまで回しましたね。その中で中村さんが突発的に "ピンク" って言い出したんですよ。"なんで?" って聞いたら "2月にリリースされるCDでSHOPに並べられる事を想像したら黒とか白とか普通過ぎて……。やっぱりオシャレなピンクとかが良いかなって!" とおっしゃったので、そこからパール・ピンクにしてみました。それで、そのパール・ピンクに合わせる形で通常盤用にパステル・グリーンとかも作ったんですけど、やはりGARNET CROWという事で、より大人な高級感を出したいなと。また男性がCD SHOPで抵抗なく手に取れるという意味でも、最終的に黒にしたという経緯があります。
この作品はGARNET CROWのジャケットの中で初めてご本人達の写真が使われていません。テーマは色んな事を考えました。今っぽいオシャレなデザインだとか……。でも結局GARNET CROWのベスト・アルバムで、5年先も、10年先も残る記念の作品という事を考えた時に、やっぱりアートじゃないとダメだなって思ったんですよね。アートか、アートじゃないかで決まると思ったんです。なので、最初はフレームの部分ももっとシンプルな感じだったんですけど、それじゃダメだと。もっとアートに、例えばイギリスのビクトリア王朝風に、という所まで持ち込めればなんとか成立するかなと思い作っていきました。
さらに編集部から小島さんに2つの質問!!!
Q. GARNET CROWの被写体としての魅力はどんな所にありますか?
A.2人ずつのそれぞれビジュアルの良い男性と女性が集っているっていう、とにかく1番の魅力はその "バランスの良さ" ではないかと思いますね。また僕自身が派手派手しかったり、ビビッドすぎるものを好まないというのもあって、そういう僕の感性と彼らの作品性とが近い部分にあるんじゃないかな〜と、そう感じながらお仕事させて頂いています。
また彼らは色々模索はしますけど、自分達らしくないものは絶対に選ばない。そういう所もクリエイターとして信頼がおけますし、あまりにもストレートだとクリエイトしていても面白くないので、メンバーに面白がってもらえる企画を毎回提示させて頂きたいなと思っています。そういう所にやりがいを感じるし、魅力を感じます。
Q. GARNET CROWのアートワークを担当される上で、1番大切にしているのはどんな所ですか?
A. "品格" ですね。軽薄は軽薄でも良いと思うんですよ。ポップな部分とか。でもちょっとそれとは違う意味で、"品" だけはどんな作品の中でも失いたくないなと思います。