Es VOL.15 [SUPER LIGHT LIVE 〜extra〜]LIVE REPORT
music freak magazine & Es Flash Back GARNET CROW Final MemoriesP.049
●○○From music freak Es Vol.15
SUPER LIGHT LIVE 〜extra〜 2011.02.05 原宿アストロホール
去る2月5日に東京・原宿アストロホールでSUPER LIGHTこと岡本仁志のソロ・ライヴが開催された。昨年12月におよそ6年振りに発表されたソロ・アルバム『Now Printing...』を記念して、1月29日の大阪公演に続いて開催されたものだ。両日共に即SOLD OUTとなる人気振りで、アルバム同様、いかに彼のソロ・ライヴを多くのファンが待ちわびていたかうかがい知れる。
会場に入るとほぼ正方形に作られたホール内は、隣の人とこれ以上ないという位の密着度で、まさにすし詰め状態。屋外は真冬の寒さだというのに、会場内は開演前から久々のライヴへの期待と熱気で充満していた。開演定刻の18時30分。前触れもなくBGMが切れ、いきなり照明が落ちると、エレクトリックなインストに乗ってバンド・メンバーと共にSUPER LIGHTがステージに登場。いよいよ幕開けだ! そして注目の1曲目はなんといきなりカヴァー曲。WEEZERの3rdアルバムから「Don't Let Go」だ。
大興奮の中1曲が終わると1st MC。"ようこそいっらしゃいました〜。晴れましたね〜。やっぱり僕晴れ男なんで、……GARNET CROWの誰かが雨女、雨男なんでしょうね。誰かは僕の口からは言えませんが!!" と茶目っ気たっぷりに話すと、"早速なんですけれどもここでメンバー紹介をしたいと思います。" という事で、GARNET CROWのライヴでもお馴染みのドラマー・黒瀬蛙一、ベーシスト・大橋雅人、そして今回初紹介となるマニュピレーターの山本幸生を紹介。ギター、ベース、ドラム、そして "21世紀ですからコンピューターと融合したライヴ作りみたいなものも今や常識となっております。今日は曲によってはこういう形でやっていこうと思っています" という事でマニュピレーターを加えた4人のメンバーで今宵のステージを進行してくれるようだ。通常メンバー紹介というとライヴの中盤から後半、またはアンコールで行われる事が多いのだが、このライヴではしょっぱなから、"犬派か? 猫派か?" といった他愛もない会話を繰り広げながら、じっくりと時間を掛けてメンバーのキャラクターまでもが披露され、あっという間にステージと客席の距離を縮めてしまった。"自分だけじゃない、今日はこの4人でライヴをやっていくので、みんなよろしくね" といった岡本の気さくで温かな人柄が感じられるシーンだった。
2曲目はニュー・アルバムから「Dime La Verdad」。スペイン語で "本当の事を言ってくれ!" を意味するタイトルのこの曲は彼独自のスペイン語で綴られたセンス溢れる1曲。アルバムの中でも変化球的なこの曲をライヴの2曲目に持ってくる辺り、彼らしい面白い発想だ。続いて1stアルバムからAZUKI 七作詞の「翼」。マイナー調の切ないメロディに甘い歌声が溶け込んで、一気にステージをアンニュイな雰囲気に包み込んだ。
3曲歌い終わった所で2回目のMC。"歌うってしんどいですね〜" と照れ隠しにも取れる表情でつぶやくと、すかさず会場から "頑張って〜" とエールが。"正月明けにインフルエンザに掛かりまして、籠りっきりにならざるをえなくなり、テレビの録り貯めをして映画や海外ドラマをひたすら観ていました! ハマったのが海外ドラマの[NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班][SEX AND THE CITY][BONES][SUPERNATURAL]等、1話完結型ばかり(笑)。あと本を読んでいました。'このミステリーがすごい' というランキングがありまして、その上位を片っ端から読んでいましたね。病気をすると辛いけど、普段忙しくてなかなか出来ない事が一気に出来て嬉しかったです" と、プライベートネタを告白。
4曲目はニュー・アルバムから「海鳴り」、続いて5曲目は2ndアルバムから「静寂の間に」。どちらもAZUKI 七作詞の、ぬぐいがたいメランコリックな男性心を綴ったミディアム・チューンだ。両曲共、間奏での激しくも甘美に歪むギターの音色が、本来ギタリストである岡本の魅力を伝えていた。
さぁここで "最南端から来たでしょう〜コーナー!" という事で、この日1番南から足を運んだオーディエンスにプレゼントを進呈するという企画が行われた。ちなみに大阪公演では "最北端から来たでしょう〜コーナー!" が行われたそうだが、東京公演は最南端という事で、福岡から訪れた2名の方が当選。それぞれGARNET CROWの年末のツアーで販売されたご当地Tシャツに直筆サインを入れてプレゼントされた。
続いてUKロックからHEAVENのカヴァー曲「Say Something」を挟んでから再びMCコーナーへ。季節柄バレンタインの話題に。自身が小学校4年生の時に突然モテ期がやって来て、クラスの女子半分位からチョコレートを貰ったという想い出話を。そして "ハッキリ言いますけど、コレ自慢です!" といって笑いを取ると、"それ以来全くモテないですけどね〜。モテたいから楽器始めたんですけどね〜" と言う岡本に会場から、"おかもっち大好き〜。結婚して〜。おかもっちなら何番目でもいい〜" と熱いラブコールが。"ミュージシャンはやめとき〜" と赤面しながらも、"ありがとう" と笑顔で応えていた。その後は "イベント・チックですみませんね〜" と言いながら、プレゼント抽選会。岡本始め今回のバンド・メンバー4人のサインが書かれた色紙を始め、以前大阪hillsパン工場で行われたソロ・ライヴ時に制作されたポスター等々、レアなアイテムが用意され会場を沸かせた。
ひとしきり盛り上がった所で "この日のセットリストで1番古いナンバーをやります。1stアルバムから「Res-no」" と告げると客席から大きな拍手が起こった。リズム隊が繰り出すどっしりとタイトなサウンドと、軽やに伸びのあるヴォーカルのコントラストは彼特有の魅力。客席側も思い思いに身体を揺らして心地良さそうだ。そのままの流れで8曲目も王道のギター・ポップ、2ndアルバムからの「Autumn Sky」。AZUKI 七の男性の恋愛心理を綴った叙情的な歌詞を表現力豊かに歌い上げ、ヴォーカリストとしての魅力も存分に味合わせてくれた。
と、ここでSET LISTには載っていない曲をアドリヴ的に。ちょうどこの日の1週間前に行われたサッカーアジア杯ザックジャパン優勝について、"やったぜ 1番 アジアで 強いんだ♪" と歌でお祝い。彼のサッカー好きは有名だが、この日もインテル・ミラノに移籍を果たした長友佑都選手について "彼は日本の誇り" と嬉しそうに語る等サッカー話でも盛り上がった。その勢いのまま本編ラスト4曲を一気に。1曲目は、ラジオで高い評価を受けアルバム曲にも拘らす、4局でパワー・プレイを獲得したニュー・アルバムからのナンバー「Tonight」(FM FUJI「SOUND FOREST」、NACK5 12月前期、FM-NIIGATA 12月度「POWER PLAY」、FM-NAGANO 12月度「POWER PLAY」)。続いてカヴァー曲を2曲。2ndアルバムにも収録されているBadfingerの「No matter what」と、以前ソロ・ライヴでも披露した事のあるSUMMER CAMPの「Nowhere Near」。歌メロ、ギターは勿論、ベースラインもキャッチーなパワー・ポップで、岡本のルーツを感じさせる選曲だ。そして本編最後はニュー・アルバムに収録された「joyride(Re:ASAP)」。心地良い疾走感に乗って客席も力強く拳を振り上げて演奏を盛り上げると、それに応えるかの様に岡本も身体を激しく揺り動かしてパワフルにギターをかき鳴らし本編1番の盛り上がりを見せた。
本編終了後バンド・メンバーがステージを去ると、すぐさまアンコールの大合唱。最初は "おかもっちコール" だったが、自然と "SUPER LIGHTコール" に切り替わり、しばらくコールが続いた後、岡本がピンク色のツアー・グッズTシャツに、他3名のメンバーがもう1タイプの黒いグッズTに着替えてステージに帰ってきた。そしてアンコール1曲目はGARNET CROWのカヴァー「千以上の言葉を並べても...」。これまでにもライヴで何度か披露された岡本ヴァージョンのこのナンバー。語る様に歌われる朴訥(ぼくとつ)とした歌声が非常に味わい深くてGOOD。本家・女性ヴォーカルの中村由利とはまたひと味違った魅力で、切ない歌詞が心にじんわり染み込んでいく。アンコール2曲目はソロ・デビュー・シングルの「First fine day」。リリース当時、意に反して自宅で撮影する事になってしまったPV撮影のエピソードを懐かしそうに披露していた。続いてニュー・アルバムよりGARNET CROWの年末のライヴで "今回のソロ・アルバムのイチ押し曲です" と紹介していた「Lose My Breath」。メロディに対して言葉数が非常に多く詰め込まれたこの曲、歌いこなすのに高度な技術が求められるのではないかと思うのだが、とてもなめらかでライトなヴォーカリゼーションでクールにキメてくれた。そしてアンコール4曲目、この日のオールラストを飾ったのは、2ndアルバムに収録されたギター全開の直球ストレートなパワー・ポップ・チューン「LOST CHILD」。客席全体を左から右と丁寧に見渡しながら非常に晴れやかな笑顔で歌う岡本の姿が印象的だった。
GARNET CROWではギタリストである岡本仁志だが、決して派手さやテクニカルなギター・プレイをアピールする事もなく、声、メロディ、歌詞、といった素材の良さを活かしながら良質のサウンドを産み出している。そこに気負いや計算は全く感じられない。ただただ自分の中から湧き出てくるものを、彼独自の音楽センスで形(音)にしているだけ。すごく自然体なその姿勢は、作品だけではなく久々に行われたソロ・ライヴでも同様だった。是非次回もまた6年後、と時間をあけずに、コンスタントにソロ作品をリリースし、ソロ・ライヴを行って欲しい。"もっと多くの人に彼特有の音楽を聴かせたい!"、そんな強い欲求にかられた魅力的な一夜だった。(TEXT BY YUKARI MATSUBARA)
[SET LIST]
01. Don't Let Go(WEEZER COVER)
02. Dime La Verdad
03. 翼
04. 海鳴り
05. 静寂の間に
06. Say Something(HEAVEN COVER)
07. Res-no
08. Autumn Sky
10. Tonight
11. No matter what(Badfinger COVER)
12. Nowhere Near
13. joyride(Re:ASAP)
<ENCORE>
EN1. 千以上の言葉を並べても...
EN2. First fine day
EN3. Lose My Breath
EN4. LOST CHILD