Es VOL.43 [livescope 〜THE FINAL〜]大阪公演 LIVE REPORT(前半)
music freak magazine & Es Flash Back GARNET CROW Final MemoriesP.095
●○ From music freak Es Vol.43
【SET LIST】
01. Rhythm
02. Misty Mystery
03. flying
04. 夏の幻(secret arrange ver.)
05. Last love song
06. 向日葵の色
07. Mysterious Eyes
08. Over Drive
09. closer
10. 空に花火
11. 夢のひとつ
12. 千以上の言葉を並べても...
13. 涙のイエスタデー
14. ロンリーナイト
15. wish★
16. U
17. call my name
18. 世界はまわると言うけれど
19. Yellow Moon
20. ふたり
21. Smiley Nation
22. 今宵エデンの片隅で
[ENCORE I]
23. バタフライ・ノット
24. Fall in Life ~Hallelujah~
[ENCORE II]
25. 夢みたあとで
開場15時・開演16時と、通常のライヴよりも少し早めの時間に設定されたこの日、大阪は若干曇り空ではあったものの、初夏の訪れを感じさせる暖かく穏やかな陽気に包まれていた。15時を少しまわった頃会場に到着すると、会場の周りにはすでに大勢の人が集まっていて、おそらくファンの皆さんで手作りされたと見受けられる横断幕を掲げて記念撮影をしていたり、何人かで集まってGARNET CROWの思い出を熱く語り合っていたり、すでにツアーTシャツを着た人達も沢山居て、笑っている人も居れば、涙ぐんでいる人も入り交じり、建物に入る前からいつもとは違う特別な空気を肌で感じる事となった。
大好きなアーティストが今日を最後にもう2度と見る事が出来なくなる。その時のファンの心境とは、いったいどういうものなのだろう。そしてその想いをメンバー4人はどう受け止め、納得させてくれるのか……そんな事を考えながら1階エントランスに入ると、広く展開されたグッズ売り場にも人だかりの山。容易に前に進めない程の混雑ぶりの中、やっとの思いで奥まで進むとそこには大きなボードが用意されていて、オーディエンスからメンバーに送られたメッセージ・カードで敷き詰められていた。"今までありがとう!" "寂しいです!"といった心の叫びの数々。その中で非常に印象的だったのが、"解散"というワードよりも、"卒業"という2文字を多く目にした事。3月のライヴで中村由利が口にした"GARNET CROWとしてすべての事を出し切りました"というコメントに対して多くのファンは、"解散"ではなく、"卒業"という受け止め方をし、その門出をファンとして明るく見送ろう!……きっとそう決心して今日この場に来ているのだろうという想像が浮かび、改めて素晴らしいファンに囲まれてGARNET CROWはこれまで活動してこれたのだと感じずにはいられなかった。
5階にあるメインホールに辿り着いたのは、開演約10分前。即日SOLD OUTとなったおよそ3,000の客席はみるみる間に埋め尽され、定刻16時。オープニングSEから岡本仁志(G.)のシルエットが幕に浮かび上がり、彼独特の味のあるディストーション・ギターが場内に放たれると、1,2,3,4とドラマーがカウント。それを合図に、ピアノ、キーボード、ベースも重なって幕が落ちいよいよスタートだ!
注目の1曲目は1stアルバム『first soundscope ~水のない晴れた海へ~』収録の「Rhythm」。ステージ中央に階段がセットされ、その最上段に現れた中村由利(Vo.)はドレッシーな黒のドレスを纏い、いつもと変わらない凛とした佇まいで堂々たる歌声を響かせる。続いてマイナー・アップ・チューンの「Misty Mystery」へと繋ぎ、従来の彼ららしいクールな登場で決めた後は、3曲目「flying」イントロで"皆さ~ん、こんばんは~!! 今日はよろしくお願いします。楽しんでいってくださ~い!"と、こちらも通常通りの明るいトーンで中村が挨拶。サビでは、大空に鳥が羽ばたくがごとく開放感溢れるヴォーカルが場内に響き渡る。1コーラス終わりの間奏で階段中間部に、2コーラス終わりで階段を降り切り、徐々に客席に近付いていく中村。思わず手を振るオーディエンス達に穏やかな笑顔向ける。
3曲目が終わると1st MC。"今日は皆さんと共に一番素敵な、そして一番楽しい想い出を一緒に作れたらと思っていますので、皆さんも最後まで思いきり楽しんでいってください" そう言って、「夏の幻」(この日はsecret arrange ver.で)、「Last love song」と懐かしいナンバーが続く。曲間には"ゆりっぺ~" "七さ~ん"と絶えまなくメンバーを呼ぶ歓声が飛び交い、その声は始まったばかりだというのに段々と熱く感情的になっていくが、メンバーはあくまでGARNET CROWらしさを貫きながら上質の音楽を届ける事に徹している様に見えた。憂いを帯びつつも力強く圧倒的な存在感を放つ「向日葵の色」は、アルバム曲でありながら彼らの音楽性を象徴するかの様な秀作。一瞬にして会場全体が邪念を振り払われ、今この1曲に魅了されていく。
独特の余韻を冷ますかの様にここで長めの2nd MC。デビュー当初の想い出話や、縁りの深いアニメ「名探偵コナン」の話などがメンバー1人1人にも振られると、岡本仁志、AZUKI 七(P.)、古井弘人(Key.)はそれぞれいつもと変わらないマイペースな調子でトークを繰り広げる。噛み合ってない様で絶妙に絡み合うMCもファンにはたまらないツボの様で、この日も笑いが絶えなかった。ひとしきり盛り上がった後は、デビュー曲でもありコナンのオープニングテーマでもあった「Mysterious Eyes」、そしてコナン劇場版主題歌に起用された「Over Drive」と明るめのナンバーを続けて披露。2000年に発表された「Mysterious Eyes」と、2010年に発表された「Over Drive」をこうして並べて演奏しても、古さや年代の違いを全く感じさせない、彼らの音楽はどれをとってもまさにエバーグリーン・ミュージックである事を実感。おそらくこの先どれだけ時が経っても、いつも新鮮に、オシャレに、私達の耳を潤してくれるに違いないだろう。
ここでストリングスが入り、最新アルバム『Terminus』から1曲、壮大なミディアム・バラードナンバー「closer」を。演奏前のMCでは、"『Terminus』というアルバムは、GARNET CROWという1つのターミナルからもっともっと遠く広く深く皆さんの心に届いて欲しいな、私達の楽曲がもっと皆さんの元に伝わって欲しいな、という思いを込めてタイトルを付けました。とてもGARNET CROWらしい世界観が詰まった、バラードもあり、アップ・テンポもあり、聴き応えのあるアルバムに仕上がって自分達も満足しています。"という説明があった。「closer」に続いてもう1曲、ストリングスの美しく流麗な音色と、どっしりと雄大なバンド演奏のコラボレーションによる「空に花火」。風格をたたえた名演に心を奪われた。
鳴り止まない拍手の中、AZUKI、岡本、古井は一旦ステージ袖へ。中村から改めてストリングス МИР Stringsと、ストリングス・アレンジと指揮を担当する池田大介の紹介があり、今回のライヴの為にアレンジが施された「夢のひとつ」が披露された。曲終わりで今度は中村とストリングス隊が退場。代わって衣裳チェンジした他のメンバー3人が再びステージに戻ってきた。まずは岡本を中心に、まったりトークを展開。オーディエンスを巻き込みつつフレンドリーな時間が流れていく。そしてGARNET CROWのライヴと言ったら、こちらも欠かせない岡本のヴォーカル・コーナー。懐かしのナンバー「千以上の言葉を並べても...」を温かな手拍子に乗せて大切に歌い上げた。ギタリストでありながら魅力ある歌を聴かせる彼のヴォーカルを楽しみにしているファンは多い。今の所解散後のメンバー4人の活動は何も発表されていないが、この日の歌声を聴いて、"岡本のソロプロジェクト・SUPER LIGHTは是非続行して欲しい"と願ったのは、私だけではないだろう。
さあ、ここから後半はノリの良いナンバーで一気にスパーク! 白とオレンジを基調とした華やかなドレスに着替えた中村は「涙のイエスタデー」のイントロでJUMP IN!!! "ここから盛り上がっていきましょう~"と煽って、キュートなダンスを交えながら歌う姿はとても楽しげだ。サビでマイクを客席に向けるとお馴染みの大合唱! これまで幾度となくライヴを盛り上げてきたナンバーだけにこの一体感は見事。"まだまだ盛り上がりましょう! Hey! Hey!"と拳を振り上げながらノンストップで「ロンリーナイト」へ。後期に作られたこうしたダンス・ナンバーが彼らのライヴに奥行きをもたらしていく。さらに、続けて「wish★」へ。会場全体で振り付けを合わせるこのナンバーも今ではライヴに欠かせない1曲だ。そして興奮が渦巻く中、情熱的なナンバー「U」を、身体全体から振り絞る様に歌い上げる。その姿にしばらく拍手の音が鳴り止まなかった。
LAST LIVEという事もあってかMCコーナーも豊富に設けられ、ここでは34枚リリースしてきたシングルの中から、メンバーの想い出深い曲について、当時のエピソードを交えながら語られた。そして"私達も大変気に入っている曲です"という紹介の後、「call my name」を披露。この曲は忘れもしない、1st LIVEの記念すべき1曲目に演奏されたナンバーで、当時まだ露出の少なかった彼らの生演奏を耳にした1番始めの曲だったのだ