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Es VOL.46 『REQUEST BEST』全曲解説(1)

music freak magazine & Es Flash Back GARNET CROW Final MemoriesP.100

●○ From music freak Es Vol.46

GARNET CROW『REQUEST BEST』

10月9日にリリースされたGARNET CROW『REQUEST BEST』。GARNET CROW全楽曲の中からファンのリクエストをもとに選曲された2枚組、全32曲を収録。今月号では、今作についてライター・斉田才による全曲解説をお届けします!

GARNET CROW 『REQUEST BEST』
GIZA studio GZCA-5256~57 ¥3,200(tax in)

■DISC-1

1.「夢みたあとで」
DISC-1のオープニング・トラックは“この曲で来たか”と思わせる、いかにもGARNET CROWらしい選曲。2000年のデビュー以来13年間に渡って活動を続け解散した彼らの、そして僕らの思い出を象徴して涙を誘わずにはいられない情緒溢れるナンバー。2002年3月13日10thシングルとしてリリース。彼らにとっても最大のセールスを記録した楽曲であり、中村由利がデビュー以前に初めて作った楽曲としても趣深い。すでに最初から最期を見据えていたかのような達観した曲調、たおやかなメロディ、そして研ぎ澄まされた詞の世界観。これがGARNET CROWの真骨頂である。

2.「バタフライ・ノット」
ラスト・ライヴで演奏された未発表曲。弦楽とアコースティック・ギターの豊かな響きが散りゆくバンドへの哀愁を誘う。飛び立つ蝶をモチーフにした色彩感溢れる歌詞、そのはかなきも忘れ去る事の出来ないメロディの余韻、最後まで凛とした強さを内包した歌声、この曲には彼らの音楽を永遠の未来に封じ込めようという意志が感じられる。

3.「海をゆく獅子」
2013年3月20日リリース、10作目のオリジナル・ラストアルバム『Terminus』に収録。この文学的モチーフを全面に表現した高貴なナンバーは、深遠なる歌声、哲学的な歌詞、圧倒的に重厚で美しい表現力、GARNET CROWの芸術的作品の中でも最高峰をいく不朽の名曲。

4.「closer」
オリジナル・ラストアルバム『Terminus』のラスト・トラックに収録。80's AORサウンドを思わせるイントロからおだやかなメロディが流れ出す。そこに達観し落ち着いた中村のヴォーカルが重なれば、何ものにも代えがたい彼らならではの世界が忽然と現れる。その陶酔感、そして親密な空気を漂わせながら終焉に向かう様は、消えゆく者の寂寥感と共に、その先の各自の未来をも暗示している。終わりなのに架け橋になっているのだ、この曲は。

5.「Clockwork」
2008年10月22日リリース、28thシングル「百年の孤独」カップリング曲として収録。近未来的サイバー感を創出するロック・ナンバー。エッジの効いたディストーション・ギター、力強さを押し出した8ビート、“ハミダシたい”“永遠の輪っかの外 見たいな”という歌詞の一節からもうかがえるように、それまでのGARNET CROWサウンドの殻を打ち破ろうとする気概が感じられる意欲作。

6.「Timeless Sleep」
2001年11月21日リリース9thシングル曲。印象的なギター・イントロに導かれアコースティックな世界観から徐々にドラマティックなサウンドへと緻密に盛り上がっていくアーティスティックなサウンドはGARNET CROWの得意とするところ。そして、“絶望”“喪失”“無力感”といった心理を描かせたら天下一品のAZUKI 七の歌詞世界の素晴らしさ。ネガティヴな単語を散りばめながら、それでも最後の一片に“希望”を残すその手腕は文学だ。デビュー2年目にしてすでにバンドの世界観が確立されていた事をうかがわせる彼らの代表的な1曲。

7.「JUDY」
2011年12月7日リリース9thアルバム『メモリーズ』に収録。初の英語詞ヴァージョン他、様々なヴァージョンが存在するが、これは日本語詞オリジナル・ヴァージョンを収録。漫画家の夏目ひららとコラボレートしたMusic Clipも話題となった。情緒感たっぷりのメロディの中でエッジィな岡本のギター・プレイが冴え渡る。GARNET CROW作品では人名のタイトルもいくつか存在するが、このJUDYという呼称、ここにもネーミングに深い洞察力があるようである。王道のバラードとして忘れ得ぬ1曲。

8.「メモリーズ」
2011年12月7日リリースの9thアルバム『メモリーズ』のタイトル・トラック曲。イントロ部の爽やかなアレンジ・ワークからAメロは一転してマイナー調に、そしてサビ・メロではまたメジャー調に変わるという長短調入り交じる構成は近年のGARNET CROWの特徴である。80's フュージョンの影響を受けた古井弘人ならではのアレンジ・センスが全面に溢れていて、全体的に彼らの楽曲の中では明るめなイメージに仕上げられている。ノスタルジックをともなった胸キュン・ソングとして記憶に残る1曲。