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GARNET CROW『Over Drive』インタビュー(ヒーローズジャングル)

2010年4月ヒーローズジャングル

コナンと言えば名探偵なのだ!映画版主題歌を歌う!GARNET CROWさんへのスペシャル・インタビュー!

今年のGWは「ウルフマン」「タイタンの戦い」とこのコラムの読者の方を狂喜させる映画が目白押しですが、もう一つ!GWのヒーローと言えば、劇場版「名探偵コナン」くん!4月17日から最新作「名探偵コナン 天空の難破船(ロスト・シップ)」が公開されています!今回は、その主題歌を担当するGARNET CROWさんの取材をしてきました!メンバーを代表してインタビューに応じてくださったのがヴォーカル 中村由利さんです。

インタビューした4月14日には、劇場版コナンくんの主題歌である「Over Drive」の発売日であり、そのCD発売イベントが、東京・アーバンドック ららぽーと豊洲で開かれました。実は、今回の「Over Drive」のキャンペーン、ハリウッドのSF・ヒーロー映画大作でよく使われる、バイラル・キャンペーンの手法が使われています。バイラルとはウィルスのことで、要は、話題になりやすい、イベント=事件を起こして、ネットでの口コミ(バズ)を仕掛けていくものです。ヒーロー映画だと、映画の世界=フィクションの世界に登場するものを、あたかも“現実の世界に、あるか”のように見せていくパターンが多く、有名なところだと「ダークナイト」で、ジョーカーが立ち上げたWEBがあって、そこから謎の指令がとんだり、「アイアンマン2」だと、映画の中でトニーが主催する「スタークエクスポ(スタークの展示発表会イベント)」の公式サイトなるものがあったり、、です。

このGARNET CROWさんの「Over Drive」のキャンペーンでは、コナンくんのライバルで、劇中登場する怪盗キッドが<4月14日に現れ、「Over Drive」を頂戴する>という予告状が、GARNET CROWさんのライブイベントや、新聞、雑誌、TV広告を通じてバラまかれ、大胆にもGARNET CROWさんの公式サイトをハッッキングして、そこにも予告状が、、という展開。恐らく、このアーバンドック ららぽーと豊洲のイベントにキッドが現れるであろう、、と。このインタビューは、キッドにまさに狙われている、緊迫した状況下での(笑)、インタビューでした。

以下

中:中村由利さん す:すぴ

よろしくお願いいたします。キッドに狙われている、という大変な状況の下で、時間をとってくださって、ありがとうございます(笑)
いえいえ、こちらこそ、よろしくお願いいたします(笑)
今日は「Over Drive」にふさわしく、また晴れになるように願って、青空をイメージした全身 青のスーツを着てきました。
ありがとうございます! 晴れましたねえ(笑)
さっそくなんですが、GARNET CROWさんは、今年10周年で(おめでとうございます!)この10年の間で、9曲も、テレビの「名探偵コナン」にオープニングやエンディングの主題歌を提供しています。ただ劇場版に提供するのは初めてですよね。TVのコナンくんとタイアップするのと、映画に主題歌を提供するのでは、曲作りなどで、一番違うところはどこだったんですか?
今回は、映画の製作者さんサイドから、かなり具体的なリクエストがあったんです。キーワードは<青い空><さわやかさ><爽快感><つきぬけた感じ>。曲もバラード、ミディアムチューンとかではなく、とにかくアップテンポな明るい曲にしてくださいと。普通、テレビだと、曲調、曲タイプにまで関わるような、そこまでの指示はないんです。あと、映画ならではの壮大さ、空をイメージさせる無限の広さも盛り込んでほしいと。だから、すごくストライクゾーンの狭い中での曲作りだったんです。
でも、それだけ、具体的な指示がある方が、作りやすかったりしませんか?
いえいえ、、5曲作って、5曲目でやっと合意に達しました(笑)年末に出来てなきゃいけないのに、出来たのバレンタインでしたから(笑)
5曲も!
ええ、それも一回目作ったものを手直ししていくとか、そういうレベルではなく、歌もオケも毎回作り直すんです。毎回、提出して結果を待って、“受験生”みたいでした(笑)もうヘロヘロになって、「コナンくん、助けて!」って感じで(笑)、5曲目を映画製作陣に渡して、“合格発表”を待っていたんですがドキドキでした。携帯に連絡来たんですが、鳴ったとき怖くてとれなくて(笑)留守電で聞きました。“合格”したときは、本当にうれしかったですね。映画のスタッフの方たちが、わたしたちを信じて持っていてくれたんです。
それだけ、難産の理由はなんだったんですか?
結局、例えば<爽快な青い空>という具体的なディレクションがあったとしても、GARNET CROWの考える<爽快な青い空>と、映画製作チームの求める<爽快な青い空>は違うわけです。GARNET CROW的には、ちょっとジメっとした、いい意味で湿気のある青い空を志向するんですが、映画のほうは、あくまでカラっとした青い空なんですよ。こういうのは、何度もやりとりをして、やっと合意した感じです。
確かに、「Over Drive」で描かれる<青い空>は、今までのGARNET CROWさんの世界観の<青い空>とは違いますね。GARNET CROWさんの世界だと<青い海>ですら<水のない晴れた海>ですからね(笑)  「Over Drive」はストレートな青空ですものね。 (註:GARNET CROWさんに「水のない晴れた海へ」という作品あり)
そうですよね(笑)。たぶん、やっぱりGARNET CROWの個性って“憂い”だったり、“陰”だったり、マイナーな曲調だと思うんですね。 “結婚式に向かない歌”とも言われたりしますから(笑)だから、そういうGARNET CROWらしさと“ま逆”のオーダーだったんですよ。でも、やってすごくよかった。
いい“受験”だったと(笑)
ええ。やっぱり、10周年を迎えて新しいことにも挑戦したい、というのが一方であって、それにトライできるいい機会でした。自分たちとしても、 「あ、GARNET CROWって明るい歌も“あり”なんだ」と思えたし、“引き出し”が増えた感じです。
爽快といえばPVも素敵ですね。
そう、初々しい感じでしょう?デビュー10年目でこれでいいのか、と思うくらい(笑)わたしたちのデビューシングルMysterious Eyesが、TVのコナンくんの主題歌でしたから、コナンくんは、GARNET CROWに、いつも“いいきっかけ”を与えてくれるんです。10周年目のチャレンジを、映画版のコナンくんが、今回、またくれたんじゃないかな。
コナンくんは、GARNET CROWさんにとって、いいパートナーですね。
コナンくんは、推理冒険物ですけど、主人公(新一くん)と蘭ちゃんのすれちがいの関係が、もう一つの軸で、GARNET CROWは、そんな2人の切なさを歌ってきました。10年間、いつも、もじもじしてる2人を見守ってきたんですよ(笑)

「あ、また もじもじしてる。君たち、そろそろ、進展あってもいいんじゃないの?」って思ったりもしますけどね(笑)

今回の映画は、お子さんも沢山観に来るわけですが、なにかお子さんを意識した歌作りってあるんですか?
歌い方ですね。小さいお子さんになにを歌っているのか、コトバがきちんと聞き取れるように歌いました。GARNET CROW的には、例えば一度聞いただけでは、なにを言っているのかわからない、節まわしとかも特長なんですが、今回はそのこだわりを棄てました。例えば、サイレント・キスというフレーズは、普通だとサイレン・キスですが、ちゃんとサイレントと発声したり、オーバードライブのブも普通だと弱いんですけど、今回はブまでキッチリ発音しています。
子どもたちもこの歌、きっと気に入ってくれるんじゃないかな。ちなみに中村さんが子どもの頃、好きだったアニメの主題歌はなんでした?
「キテレツ大百科」の「はじめてのチュウ」ですね。(このタイトルがでたとき、インタビューのまわりにいたスタッフ全員が、ああ、あの♪はじめてのチュウ・・とハモりました)。アニメの主題歌ですが、曲も歌詞も素敵な、素晴らしい作品です。 目指したいです。
僕は、アニメの主題歌っていうのが、ある意味、子どもが初めて夢中になる歌だし、ディズニー映画だって歌が命ですから、とても大切な要素です。だから、コナンの主題歌を通じて、GARNET CROWさんが、水準の高い楽曲を提供している事は、日本の子どもたちの音楽感性育成にとってすごく重要だと思うんです。
そう言っていただけると嬉しいです。ありがとうございます!あと、今回学んだのは、やっぱり映画やアニメの主題歌を作るっていうのは、ありものの楽曲を渡して、ハイおしまい、、ではなくて、やっぱりその作品といかにキチンと向き合うかって、ことなんですよ。

つまり、物語やシーンと歌がリンクしていなきゃいけない。歌を聴いただけで、そのシーンが浮かぶようでなければ心に響かない。今回、わたしたちの歌は、映画のラスト・シーンで流れます。その歌がかかる直前の部分の絵コンテをみせてもらって、ディスカッションしたんです。ラスト・シーンにちょっと衝撃をうけているお客様の心に語りかけながらも、この映画が、上昇する飛行船がカラッとした爽快な空を駆け抜ける壮大な物語だったことをリマインドさせる、、、それが、主題歌の使命です。だから、歌いだしはGARNET CROW初のアカペラで訴えかけ次に、爽快さをストリングスに託して伏線っぽくつかって、歌の進行とともにストリングスがドンドンあつくなって、最後はストリングスのアレンジが大きくなって、、ここは、飛行船が上昇して無限の空が広がる感じを表しているわけです。物語のベクトルと楽曲のベクトルがあってないと、破綻するんです。そういうことはすごく勉強になりましたね。

この、アカペラ版は、映画館(劇中)だけのバージョンですよね。
ええ、そうなんです。是非、劇場で(笑)
映画館のいい音響で是非聞きたいと思います。最後に、中村さんにとって、ヒーローとはどういう人だと思いますか?
強さと弱さを知っている人、心の痛みがわかる人のことです。(これは即答でした。きっと、中村さんが、いつも思っていることなのでしょう)
素晴らしい定義だと思います。今日は、本当にありがとうございました!
ありがとうございました!これから、がんばって、事件(今回のキッドのこと)に巻き込まれてきます(笑)
インタビューを終えてとてもキュートな歌姫で、真摯なクリエーター、それが中村さんでした。1つの作品が生み出されるまでのプロセスを、音楽については素人の僕に、とてもわかりやすく、熱く語ってくれました。楽しいインタビューでした。