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VOL.61 1st ミニ・アルバム『first kaleidscope 〜君の家までずっと走ってゆく〜』

music freak magazine Flash Back GARNET CROW 10th MemoriesP.003

●○○ From music freak magazine Vol.61

GARNET CROW 1st ミニ・アルバム『first kaleidscope 〜君の家までずっと走ってゆく〜』11月27日リリース!

古井弘人(Arrange/Keyboard)
アレンジャーとしてメジャー・シーンで活躍中。主な作品としては rumania montevideo「Still for your love」、WAG「Free Magic」、小松未歩「願い事ひとつだけ」、ZARD「MIND GAMES」等幅広い

中村由利(Vocal/Songwriting)
全ナンバーの作曲を手掛ける。洋楽的センス溢れるソングライティングには定評あり

AZUKI 七(Lirycs/Keyboard)
作詞家としても数多くのアーティストに作品を提供。WAG「Free Magic」、WANDS「「今日、ナニカノハズミデ 生きている」」等々

岡本仁(Guitar)
スタジオ・ミュージシャンとしても活躍中

 ふと妙にセンチメンタルな気分になる事ってないだろうか。僕はしょっちゅうです。例えば、つい先日、所用で下北沢に行った時のこと。元ジュンスカイ・ウォーカーズのギターだった純太に遭遇した。雰囲気は当時のまま、今すぐにでも黒のレスポール抱えて "歩いていこう" って叫びだしそうなイキオイに圧倒されたのですが、しいて変化を挙げるとすれば携帯を持ってたことぐらいか(笑)。そんな彼でも "やっぱドコモでしょ" なんて言ってe-mailやるのかな、なんて思うと時の流れを感じちゃったりして(笑)。ま、冗談はさておき、例えば、CS放送で流れている懐しのドラマの数々。「東京ラブストーリー」のバブルな風景はすでに過去のもので、今やSMAPのかっこうの笑いのネタとして10代の感性にビビットに君臨しているわけです。"あぁ、時代の流れとはかくも切なきものなのか……"。音楽でも同じことは言える。ギターバンドや、東京生まれヒップホップ育ちなミュージシャンが全盛をきわめる中で、11月27日に1枚のアルバムを突然リリースした4人組のユニット、GARNET CROWが奏でる音は郷愁、とまではいかないけれど誰のココロにも隠れている感情に訴えかけていく、そんな力があるような気がしてならない。ネオ・アコースティックを彷彿とさせるその音楽性は、例えるなら、すでに失ったものへの憧れみたいなものに近いのかもしれない。

 例えば、タイトル曲「君の家までずっと走ってゆくつもり」はパーカッシヴなリズムにセンチメンタルなメロディが絡むと、そこには自分が失ってしまった想い出がフラッシュ・バックして、どうしようもなく懐しい、そんな気分に浸らせてくれる。例えるならば、エヴリシング・バット・ザ・ガールやフェアグランド・アトラクションを初めて聴いた時の気持ちとよく似ている気がする。

 さてさてメンバーなのですが、なんと読者にはおなじみというか、感動もんというか(笑)、40代以上の読者の方ならジュリーとショーケンが組んだPYG(自由に歩いて愛しては史玉の名曲っす)、30代読者ならこれはユメか! "夢なら醒めてよ" な超豪華な布陣パワー・ステーション(確かデュラン・デュランのジョン・テイラーとかシックのトニー・トンプソンやロバート・パーマーとかが絡んでたよなァ)、20代読者の方なら小室哲哉とヨシキが組んだV2(笑)10代読者だと………ドラゴン・アッシュの降谷君とグレープバインの田中君とトライセラトップスの和田君が共演したりしなかったり……?、とまぁそれぐらいショッキングかつインパクトのあるメンバー達であるのだ。ZARDやDEEN等の楽曲でアレンジャーとして多数参加している古井弘人(最新シングル「この涙 星になれ」も担当)、WAGに歌詞提供した「Free Magic」のスマッシュ・ヒットが記憶に新しいAZUKI 七(WANDSにも歌詞提供アリ)、暖かなヴォーカルが特徴的な全曲の作曲を手掛ける中村由利、そして8月に行なわれた、伝説!のZARD船上ライヴでギターを担当した岡本仁。要は腕利きの職人達な訳である。こんなことは実はポップ・ミュージック史上では決して珍しい事ではなかったりするのだ。とにかく!歴史は繰り返す。実力派ユニットGAR NET CROW、チェキね、チェキ。


GARNET CROWをよく知りたいアナタに…!ネオアコ名盤セレクション(かなり独善的)

●オレンジ・ジュース『ユー・キャント・ハイド・ユア・ラヴ・フォーエヴァー』

いわゆる "渋味" をポップさの裏側に感じさせてくれるのが彼らの持ち味。ブラック・ミュージックの大誤解が(笑)独自のグルーヴを生み出している。vo&songwriterだったエドウィン・コリンズは90年代半ば "ガール・ライク・ユー" のヒットで復活。

●アズティック・カメラ『ハイ・ランド、ハード・レイン』

当時18歳にして青春のすべてをぶつけた、まさに UK版 "スクール・ウオーズ(注1)" サウンド・トラック。バーズ等フォーク・ロックに影響を受けたキラメクようなギター・フレーズは後年、どれだけのバンド達に引用&リスペクトされたことか(笑)そんな青春帝国も3枚目にして崩壊。一時期は世界に羽ばたく坂本龍一と組んでたことも…。"アズティックはね…いい、悪いじゃないの。単に惰性で聴くことがテーマ(笑)" と語るは小沢健二。昨年よりロディ・フレイムとして正式にソロ・プロジェクトとして復活。個人的には(このALには収録されてないけど)ヴァン・ヘイレンの「ジャンプ」のカヴァーがスキですね。あの曲をボサノヴァでやられたら笑うしかない。HR/HM系シーンにツバ吐き捨てって感じがして。この姿勢こそロックンロールだ(笑)。

●フェア-グラウンド・アトラクション『ファースト・キッス』

出た、アフタヌーン・ティ・ミュージック(笑)(注2)。日本のバブル・シーンを支えたバブルガム・ミュージックといえばコレ。このジャケットに惹かれ、恋人達のランデヴー状態(死語)のマスト・アイテムとなってしまったのは置いといて、「Perfect」はやっぱ名曲ってとこで。

●ベン・ワット『ノース・マリン・ドライヴ』

女々しさNo1なら、この人。こんなキャラこそ、ネオアコの王道たるゆえんか……? フニャモラ系ダメ人間必聴の一生モンのアルバムであることは間違いない? 残響がやけに耳に残るセミアコのギターが奏でるサウンドは妙に生々しく、リアルに響く。ラストはボブ・ディランの「血の轍」のカヴァー収録。この後、トレイシー・ソーンとエヴリシング・バット・ザ・ガール(注3)を結成。

〜注釈説明〜

(1)スクール・ウオーズ

80年代を代表する青春ドラマといえばコレ。今でも80s産業ロックを代表するボニー・タイラーの " ヒーロー " 日本語ヴァージョンのイントロが聞こえてきそうでしょ? 主演:山下真司、松村雄基。川浜高校ラグビー部を舞台に繰り広げられる、TBS系で放送され、数々の名言("いいぞ、イソップ")、ヒーロー(イソップ)を生み出した。大映ドラマの特徴ともいえる急激な展開は後にジェット・コースター・ドラマに多大なる影響を与えたと言われている(かなり嘘)。イソップ君はこの後、歌手デビュー。デビュー・シングルは「イソップ物語」…。いいのか、それで…。当然この後の彼の消息を知るものはいない。

(2)アフタヌーン・ティ・ミュージック

要は、皆大好きなアフタヌーン・ティで店内演奏されてる音楽のこと。1980年サザビーがパルコパート3にオープンしたのが一号店。オープン・サンドウィッチもマフィンもスコーンも珍しかった時代。店独自の選曲によるテープが個性を持ってる店舗というのも珍しかったはず。仕掛け人は現DJとしても活躍中の関口太とピチカートファイヴの小西康陽。クレプス・キュール(ベルギーの音楽レーベル)の音楽やエル、ラフトレードと呼ばれるヨーロッパを中心に広がり始めたアコースティック音楽を店内用BGM としてガンガン流してたのです。当時、どれだけヨーロッパの音楽の方がアメリカに比べて断然先端って感じだったかがしのばれるエピソードでしょ。今だに、この2人が作ったテープが時を超え流れてたりするそう。チェキですよね、チェキ。コレは。

(3)エヴリシング・バット・ザ・ガール

ベン・ワット、トレイシー・ソーン2人によるユニット。80年代はシャーディと共にバブルな時代をそのきらびやかな音色で飾ってくれた。