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VOL.78 7th Single「Last love song」

music freak magazine Flash Back GARNET CROW 10th MemoriesP.014–015

●○○ From music freak magazine Vol.78

GARNET CROW


●○○ From music freak magazine Vol.78

これが最後のlove songの始まりに・・・
なるよう祈る

New Maxi Single
「Last love song」

5.9 Release!

 1999年12月に『first kaleidscope 〜君の家に着くまでずっと走ってゆく〜』でインディーズ・デビューを果たし、2000年3月に「Mysterious Eyes」「君の家に着くまでずっと走ってゆく」の2枚同時リリースでメジャー・デビューを飾ったGARNET CROW。メンバーは作曲&ヴォーカルの中村由利、作詞&キーボードのAZUKI 七、アレンジ&キーボードの古井弘人、ギターの岡本仁志の4人。 以前から、AZUKI 七は作詞家として、古井はアレンジャーとして、岡本はスタジオ・ミュージシャンとして活躍し、メロディ・メーカーである中村も膨大な曲のストックを持っていた。クリエイターとして充分な力を持ったメンバーが結成したこの背景からも、GARNET CROWの楽曲のクオリティの高さがどれほどのものかが分かるだろう。

 GARNET CROWのサウンドから感じるのは、"ネオ・アコースティック" の匂い。競うようにデジタル音が飛び交う現在のミュージック・シーンにおいて、こういったアプローチは逆に新鮮さを持って響いてくる。シンプルなメロディを彩るサウンドに、単に懐かしさだけでは終わらせない新しさを追求して、デジタルを加味した緻密なアレンジやリズム・トラック作り。そんな彼らの作品が注目を浴びない訳はなかった。デビューからのシングル全6曲が収録され、2001年1月31日に発売された待望の1stアルバム『first soundscope 〜水のない晴れた海へ〜』は、彼らの実力がそのまま受け入れられるような結果——アルバム・チャート初登場6位として現れた。アルバムには、最大の魅力である軽快なポップ・チューンはもちろん、ビートの効いたリズミカルなナンバーや、ブラック・ミュージックを取り入れた楽曲、アシッド・ジャズをモチーフにしたものがあったりと、まさに万華鏡のごとく多彩な音色が展開されている。 このアルバムのリリースによって "焼き直すだけではない、進化したネオアコ" を確立したGARNET CROW。その彼らがアルバム後、初のシングル「Last love song」を5月9日にリリース。

 「覚えやすくキャッチーな曲をと思って作りました」と中村自身が言っているように、「Last love song」は初夏というこの季節にまさにぴったりの、GARNET CROWの "陽" 的部分が全開となったポップ・チューンに仕上がっている。アコースティック・ギターとコーラスが、まさに永遠を誓う2人の空気感や切ない胸の内にある力強さ、そしてこれから広がる世界を喚起させてくれる。「細かいリズムと基本リズムとの複合により、軽快さと強さを強調して数種類のアコースティック・ギターの音色でさらに広がりを出しています」と古井が言うように、かなり緻密に作品のトラックは作られている。

 歌詞の内容は、「Last love song」というタイトルから想像する "別れ" ではなく、<これが最後のlove songの始まりに・・・>と歌う、これ以上に好きな人が表われる事はない、ずっと一緒に居たい……といった、最高の人に巡りあった恋人たちの物語が綴られている。「儚い性質を持つ真理の中で、人の持つ懲りない感情の温度をなんとなく」とAZUKIは歌詞のテーマについて言っていたが、GARNET CROWの大きな魅力の1つに、この刹那主義とも感じられる彼女の文学的な表現が上げられる。ある本に、"人はどんなに幸福でも、常に死や終わりを無意識に意識している" と書いてあったが、彼女の歌詞はまさにこの言葉がぴったり当てはまる、どこか寂寥感が漂っているものだと感じる。「確かに生きること、生命そのものに寂寥感を感じることはありますよ。改めてみると、意識してないけど、そういうのが出ますね」。生きることは終わること。それを実感する事で、愛する事や優しさ、希望に対してより敏感に感じる事が出来るのかもしれない。AZUKI 七の詞世界はそんな強さが備わっている。

 カップリング「Jewel Fish」は、「異国感溢れるイントロから始まり、サビでは開放的なイメージに近付け、初夏の雰囲気を感じて頂けるよう努力しました」と、古井の試行錯誤のアレンジのたまものともいえる爽快なナンバーへと仕上がっている。歌詞のテーマは「人は誰しもあるがままでいい。そして、受け入れていかなくっちゃいけないことがたくさんある。60億もの人口の中のたった一人の人に執着しちゃうこともあるよね。うまくいかない時、一つの受け入れ方として…水に流す、という事で「水葬」(bury at sea)なんてのは、どーかしら?って感じで書きました」。

 「女性同士だからできるもの、ということを大切にしていきたいと思っています」という中村。女性同士から生まれ出る繊細さに、男性である古井が斬新な発想のアレンジを加えたり、岡本が力強いサウンドを注ぎ込んだりと、4人による可能性は何十倍にも広がっていく。また、「私はかなりゆりっぺの声やコーラス・ワークにベタボレなので、毎回嬉々として取り組んでいます。そういう愛情が随所に出ている作品だと思うんだけど」と、AZUKIもかなり惚れ込む、遮るものが存在しないような、高く澄んだ中村のヴォーカルも魅力。

 「アルバムではできなかったタイプの曲などを制作していきたいと思っています」と、今年も精力的な活動を宣言しているGARNET CROW。4人の個性が集まり、ジャンルを超えた "音楽" そのものを作り出す。今年、大注目のバンドとして知っておいて欲しい。

GARNET CROW
New Maxi Single

「Last love song」

5.9 Release

GIZA studio

GZCA-1072 ¥1,050(tax in)

1.Last love song

2.Jewel Fish

3.Last love song〜Instrumental〜