目次へ戻る

VOL.123 LIVE REPORT「livescope 2005 〜I'm waiting 4 you & live〜」2005.1.21 大阪厚生年金会館

music freak magazine Flash Back GARNET CROW 10th MemoriesP.064–065

●○○ From music freak magazine Vol.123

GARNET CROW

「livescope 2005
  〜I'm waiting 4 you & live〜」

2005.1.21 大阪厚生年金会館 大ホール

 昨年、一昨年に引き続き、この大寒の季節にライヴ・ツアーを行ったGARNET CROW。今回のタイトルは「livescope 2005 〜I'm waiting 4 you & live〜」。昨年12月にリリースされた4枚目のアルバム『I'm waiting 4 you』のインタビューでメンバーが語っていたように、"you" とはもちろん、この場合GARNET CROWを応援するファンを指す。彼らをライヴ会場で待っているGARNET CROWの思い、それをそのままタイトルにした今回のツアー、初日の大阪厚生年金会館へと向かった。

 待っていたのはGARNET CROWばかりではないとばかりに周辺に溢れたファンの間をすり抜け会場内に入ると、そこは外の喧騒とは異質の静かなる空間。何故だかGARNET CROWのライヴの幕開けは、いつもクールな静けさのベールと共にあるような気がした。

 ライヴのオープニングといえば、派手な演出や大振りな曲で盛り上げて始まるのが通説。だけれど、GARNET CROWは違っていた。

 映画音楽のような軽いBGMに乗せてブルーのライティングが光る中、淡々とステージに集合したメンバー。まずは、最新アルバムからの耳馴染み浅い情緒的なマイナー曲「この冬の白さに」。中村由利の崇高な歌声とAZUKI 七のピアノの調べにガーネット・ワールドへの入り口を案内され、続くはAZUKIのピアノも印象的な「夕月夜」。髪を降ろした姿も新鮮な中村と黒系の衣装でまとめシックなメンバーがこの曲を演奏する、ただそれだけで、ひたひたと感動が押し寄せる。すでにオーディエンスは、スクリーンに映し出される歌詞に吸い込まれてステージを凝視し、動けない感動に包まれている。そんなファンの堅さを和らげたのは中村のMCだった。

 「皆さん、今晩はGARNET CROWです。今年もまたお会い出来て嬉しいです。今日は、皆さんの貴重で大切な時間を最後までお付き合い出来ればと思っています」

 中村がタンバリンを持ち、岡本仁志のギター・プレイもまぶしく続く3曲目は、初期ナンバー「夏の幻」、続く最新シングル曲「忘れ咲き」、さらにドラマティックな古井のアレンジも光る「flying」へ。GARNET CROWの歴史の端々を繋いだ曲構成は、どこにも時代性の違和感がない。彼らがいかに独創的で普遍的なサウンドを追及しているかという事の表れだろう。

 「去年は「冬のソナタ」が流行しましたが〜」と中村が話し出す。と、すかさずAZUKIが「冬のソナタ」のフレーズで合いの手を入れてみたり……。

 「GARNET CROWからの純愛をテーマにした曲がありました。聴いて下さい」

 2年前の初ライヴではオープニングで演奏された「call my name」。今でもそのアコースティックな味わいは新鮮だ。その気高さは、最新アルバムにも継承された事を裏付けるように、次の「冷たい影」へと続く。中村由利の作り出す湿ったメロディと情念の歌声、AZUKI 七の悲哀の真髄を貫くリリックの最強カップリング。これこそ、そこに何の演出がなくても生で聴くのが最高なナンバーだ。

 余韻に浸りつつ遠くを見つめる人々を現実世界へと再び引き戻したのは、ちょっとコミカルな中村のお正月ネタMC。続いてギターの岡本仁志にスポットが当たり、彼が紹介したのは「Last love song」。意外にも岡本のヴォーカル、中村のコーラスで歌われ、会場は新鮮な衝撃に包まれていた。

 スポット・ライトが会場に光を投げ掛ける。再びGARNET CROWの深遠世界へ引き込まれる予感。1stアルバムから、ファンの支持も高い「水のない晴れた海へ」。続いてAZUKI 七のリリカルなピアノも印象的な「in little time」は、なんと2000年の2ndシングルのカップリング曲。こういうレアなナンバーをライヴで登場させてしまうのもGARNET CROWならではのこだわりだろう。

 「今年でGARNET CROWはデビュー5周年。その間、正直ファンの皆さんが応援してくれたからここまでこれたのだと思っています。これからも皆さんと共に歩んで成長し続けたらいいな、という感謝の気持ちを込めてこの曲を送ります」

 グリーンのイルミネーションが4枚のパネルに投影される。GARNET CROWとファンにとっては忘れられない名曲「夢みたあとで」。中村の歌声がフォルティッシモを奏でる。その愛ある歌声はまさに観客を救済する祈りだ。などと聖なる気持ちに


●○○ From music freak magazine Vol.123

【SET LIST】
1.この冬の白さに 2.夕月夜 3.夏の幻 4.忘れ咲き 5.flying 6.call my name 7.冷たい影 8.Last love song 9.水のない晴れた海へ 10.in little time 11.夢みたあとで 12.Holy ground 13.永遠を駆け抜ける一瞬の僕ら 14.君 連れ去る時の訪れを 15.二人のロケット 16.ブルーの森で〜 17.〜恋することしか出来ないみたいに(M16,17:メドレー) 18.Mysterious Eyes 19.僕らだけの未来

<ENCORE>

1.君を飾る花を咲かそう 2.「さよなら」とたった一言で... 3.スパイラル

浸かれていたら、見透かされたように「Holy ground」がやってきた。これまた最後のファルセットがたまらない。その一瞬を体感するがために全てを投げ出してもいい、と思わせる。そんな気分にさせる声の持ち主はそうそういない。しかし、そんな衝動も、続く爽快な「永遠を駆け抜ける一瞬の僕ら」ですっきり拭い去られて救われる。

 さぁ、たっぷりと13曲も演奏して、ここからが後半戦。

 「君 連れ去る時の訪れを」のゆったりとしたグルーヴからメンバー紹介へ、続けていよいよ会場の手拍子も高鳴る「二人のロケット」だ。ゴッドハンドを高く掲げてあおる古井。後半 "we go on paradise" の大合唱はまるでパラダイス。そして、それまでセンターでじっくり歌を聴かせていた中村もいよいよステージ左右に動いた! 爽やかにエンディングを迎え、照明が一際明るくなってもまだ終わらない。その先にも未来が待っていた。「ブルーの森で」からメドレーで「恋することしか出来ないみたいに」と明快なナンバーが、そして中村の一言を合図にスパニッシュなイントロが響き渡り、本編ラスト・ソング「僕らだけの未来」。速まる手拍子、ステージを照らすガーネット色の照明。情熱的なサウンドにアーティストと観客が酔いしれ、瞬間、得も言われぬ解放感のグルーヴが立ち昇った。

 さらにアンコール。1曲目は、中村が初めて実体験を元に作った「君を飾る花を咲かそう」。重くも清々しい感動が会場を包み込む。そうして、今回も彼らはライヴならではのサービスを忘れない。続けてまっさらの新曲「「さよなら」とたった一言で...」を初披露。そして最後には駄目押しの盛り上がりナンバー「スパイラル」で締めくくった。

 じわじわとした感動から段々に盛り上げ、最後は最高潮の大団円に持っていかれた。これこそガーネット・マジック。今年もまたアーティストとファンとの絆が揺るぎなきものへと進化した素晴らしき一夜だった。(斉田才)

★今回のライヴ会場で、GARNET CROWのリミックス・アルバム『Cool City Production vol.8 GARNET CROW REMIX』が先行発売されました。この作品は、GARNET CROWのサウンド・メイキングを支えるメンバー、古井弘人、岡本仁志がオーガナイザーとして監修し、自らもトラック・メイキングをしたリミックス集。今後販売される予定もあるそうなので、情報入り次第お知らせします! なお、この作品についての詳細は、Cool City Productionウェブ・サイトにてチェックしてみて下さい。

■COOL CITY PRODUCTION WEBSITE www.cc-p.net/

『Cool City Production vol.8 GARNET CROW REMIX』
TCR-029 TENT HOUSE ¥2,800(tax in)

01.忘れ咲き 〜hirohito furui mix〜
02.クリスタル・ゲージ 〜hitoshi okamoto mix〜

03.Endless Desire 〜CHINITA Mix〜

04.夢みたあとで 〜Migrand Jazz〜

05.flying 〜Xtra Jam RMX〜

06.泣けない夜も 泣かない朝も

  〜night clubbers mix〜

07.スパイラル 〜natural flavor mix〜

08.wish ★ 〜Re-wish〜

09.僕らだけの未来 〜Funktasia Mix〜

10.Naked Story 〜raze mix〜

11.Crier Girl&Crier Boy 〜ice cold sky〜

  〜RIP TRAP REMIX〜