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Es VOL.18 The musician to the musician plus Vol.11 岡本仁志(後半)

music freak magazine & Es Flash Back GARNET CROW Final MemoriesP.055

●○○From music freak Es Vol.18

んですね。そんな中でサマー・キャンプはパワー・ポップなんですけど、何となくグランジっぽい曲もあったりとか、すごくメロディが良かったり、コード・ワークがとても素敵だったりっていう魅力がありました。またこのバンドはギター・ソロが良いんですよ。手癖で弾き倒して終わり!っていう様などうでも良いギター・ソロじゃなくて、曲の中にちゃんと組み込まれている、しっかりとしたギター・ソロで、そこがすごく良いんです。

●この辺はご自分の作品作りにも影響されていますか?

岡本そうですね。影響っていうと恥ずかしいですけど。でも何かしら影響を受けていると思います。

●コピーもされていますもんね。

岡本はい。ライヴで「No Where Near」って曲のコピーをやった事があります。でもコピーはこの1曲だけで、あとは "あそこのコードの響きはどんな風になっているんだろう?" ってなぞってみたりした程度です。

●大学ではほとんどオリジナルをされていたんですか?

岡本そうですね。大学は完全にオリジナルでしたね。ライヴ・ハウスにも出たりしていました。

●バンド仲間は大学で出逢った友達と?

岡本高校の軽音の先輩で同じ大学に入った先輩が居て、一緒にやろうかって。その頃は、どちらかと言うとちょっとハード・ロックっぽい所もある、メロディがちゃんとあるロックをやっていましたね。

●今やっている音楽とはちょっと違う?

岡本はい。全然違う感じでした。

●次に来るのはカーディガンズでしょうか?

岡本そうですね。これは社会人になってから聴いたアルバムです。当時カーディガンズって巷でよく流れていて、自分の中では可愛らしい音のイメージしかなかったんですけど、このアルバムを初めて聴いた時に、"えっ? これがカーディガンズ?" って驚きを覚えました。後で調べてみると、彼らの中では特異な作品で、こういう作風はこのアルバムだけなんだそうです。カーディガンズと言えば、トーレ・ヨハンソンっていうプロデューサーが有名ですけど、このアルバムも彼が手掛けていて、それまでのポップでキュートなイメージから一新、よりダークな物に転換した実験的なアルバムだったようです。このアルバムは母国スウェーデンではヒットしましたが、外国ではあまり評判が良くなくて、結果大きく人気を落とす事になった様ですが、僕自身は彼らの作品の中で1番好きなアルバムなんです。

●岡本さんのソロ作品に通ずるものを感じますが。

岡本そうですね。もともとメロディはちゃんとあるんですけど、周りの装飾というか、飾りの楽器がひとひねりしているものが多くて、すごく面白いんですよ。それまでの爽やかっていうか、人の温もりのある楽器のイメージとはガラリと変わっていて、純粋なファンは分からないですけど、僕的には良い裏切り方をしてくれているアルバムだと思いました。とにかくマニアックな音作りが良いなと思って。まぁそういう意味で、僕のソロ・ワークに影響を与えてくれている作品かもしれないですね。

●ちなみに曲作りはいつ頃からされているんですか?

岡本作曲は高校生の時からですね。高校の文化祭で、自分のバンドと、もう1つ別に軽音楽部の出し物的なライヴに参加しないといけないって言われて。それで、それに参加するには "オリジナルを作りましょう" っていうテーマを課せられまして。その頃から作っていました。

●作曲の仕方は、どうやって覚えたんですか?

岡本中学の時にピアノをやっている友達が居て、そいつが既に曲を作っていたんで "どうやって作るの?" って聞いてみたんですよ。そしたらメロディが頭に浮かんだら、それにコードをはめていくんだって言われて。最初は "さっぱり分かんね〜" って感じでしたけど、なんやかんややってるうちに、何となく出来る様になっていきました。後はコード先行で、そのコードにメロディを乗っけてみたり。そんな事をやっているうちに自然と出来る様になっていきました。

●最後はジェリー・フィッシュですね。

岡本これも仕事をする様になってから色々聴いている中で出逢ったアルバムです。オーバー・プロデュースな感じもしますが、ここまで音楽に対して変態的にこだわれるのってすごいな〜と思って。まぁ天才だから普通の人が考えるよりは掛かっていないのかもしれないですけど、僕なんかからしたらどれだけ時間掛けているんだろうって思ってしまう位、変態的なこだわりをし尽くしている作品ですね。

●それはアレンジが凝っているという事ですか?

岡本はい、曲自体も勿論すごく良いですけど、楽器の重なりだとか、コード・ワークだとか、コーラスの重ね方だとか……。よく彼らは "おもちゃ箱をひっくり返したような" って言われているんですけど、まさにその表現がぴったりなんです。そういう部分は僕のソロ・ワークにもろに影響を受けていますね。

●クィーンっぽい曲もありますよね。

岡本曲によってはもろ! 多分ネタ的にやっているんだろうなと思います。

●ジェリー・フィッシュはコピーをするよりも、作品を研究したいバンドですか?

岡本そうですね。ライヴでコピーは1度もしていませんね。

●ところで、これまで音楽をやってこられる中で、転機になった音楽やアーティストは居ますか?

岡本転機! 1つですか? いや〜、なんだろう……。転機と言えば、自分のソロの1stシングルが転機だったのかもしれないですね。それまでは曲を書くだけだったんですけど、アレンジを含めソロでは100%自分っていうものを出せたのですごくラッキーでしたし、大きなターニング・ポイントかなと思います。デモだけ作っている時は、ラフに曲を作ってもアレンジャーのプロがよりかっこ良く作り上げてくれるじゃないですか。でもソロ作品の場合そういう訳にもいかなかったので、アレンジに対してすごく勉強した部分もあったし、苦しんだ部分もありました。だからギターリストとしてだけではなくて、音楽人っていうか……、musician的な所でのターニング・ポイントだったと思います。ソロをやっていなかったら多分今の様にはなっていなかったと思うし、ユーティリティがなかったと思うんですね。ギターを弾いたらもっと上手い方が沢山いらっしゃいますし、ギターだけ弾いていたら今のキャリアはなかったなと思っています。

●プロになってから、音楽って自分にとって存在が変わりましたか?

岡本まず聴き方が変わりました。そんなに好きじゃなくても資料として聴いてしまうというか。例えばご飯作ったり、歯磨いたり、洋服を着替えたりする時に何の気無しに掛けているお気に入りの音楽ってあるんですけど、それ以外の曲も聴いている自分が居るっていうか。仕事に昇華出来る音楽を聴いている事もあるという部分では、随分音楽に対する向き合い方が変わったと思います。2つの枠があって、自分が好きで聴いている音楽と、そんなに好きじゃないけど仕事として聴いている音楽と、その2つが存在する感じですね。

●好きな音楽って、UKなのかなって勝手に思っていたんですけど、今回挙げて頂いた作品はアメリカの物が多かったですね。

岡本僕実はUKってそんなに好きじゃないんですよね。UKの中で好きな曲って、限られているんで。実はそんなにUKバカじゃないんですよ。

●UKっぽいって言われませんか?

岡本言われますね。声の感じとかからですかね。決してウマくはないけど、雰囲気で持っていってるっていう様なのがUKに多いからかもしれないですね。でも実際は "UKだったら何聴く?" って聞かれて思い浮かぶ好きなUKのアーティストって少ないんですよ。

●例えば誰ですか?

岡本まぁビートルズは置いておいて、やっぱりオアシスは好きですね。あとアッシュとか、ステレオフォニックスとか、そんな所でしょうか。あとはアーティストっていうより曲単位になってきちゃうんで。アルバムをガッツリ聴きたいっていうアーティストは本当に僅かですね。

●ギタリストで憧れた人はいますか?

岡本ギターを弾き始めた頃は、その人になりたいというよりも、あのギター良いなっていうのはありましたけど。例えば弾き始めた頃でいうと、ブルーハーツのマーシーさんとか、その頃聴いていたバンドのギタリストですかね。だからあまりガッツリ師匠的存在の人が居るわけではなかったですね。今でもギタリストが誰とかいうよりも、あの曲のギター良い音してるなって思ったらネットで探したりして、どんな機材使ってるのかなって興味深く調べたりします。

●最後に、音楽活動の中でどんな作業が1番好きですか?

岡本デモ作りが1番楽しいですね。デモはいくらストックがあっても良い訳ですから。採用されるされないは別として、純粋に好きな曲を沢山作るのが好きっていうか、とにかく1番楽しいです。

<作品紹介>

■オフコース『SELECTION1978-81』
1970年のデビューから1989年の解散まで、数々のヒット曲を世に送り出してきたニュー・ミュージック時代を代表する日本のグループ。今作は、1981年9月1日リリースされた、オフコース中期である1978年から1981年の楽曲を集めたベスト・アルバム。オリジナル・アルバム作品に収められていなかったシングルの大ヒット曲「さよなら」、「I LOVE YOU」、「生まれ来る子供たちのために」を含む全11曲を収録している。

■ニルヴァーナ(Nirvana)『Nevermind』
メンバーは、カート・コバーン(Vo.&G.)、デイヴ・グロウル(Dr.)、クリス・ノヴォゼリック(B.)。アメリカ・シアトルのインディズ・レーベルから89年にデビュー(当時のドラマーはチャド・チャニング)。同年、アルバム『ブリーチ』を発表、91年にメジャー・レーベル、デヴィッド・ゲフィン・カンパニーから2ndアルバム『ネヴァー・マインド』を発表、シングル「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」がラジオやMTVでオン・エアされると全米で300万枚以上のセールス、チャートの1位を獲得これを境に世界中にグランジ・ブームを巻き起こす事になった。その後、92年『インセスティサイド』、93年『イン・ユーテロ』と2枚のアルバムを発表したが、カートはドラッグに深くおぼれる様になり、94年4月、自宅のバスルームで頭をライフルで打ち抜き自ら命を断ってしまった。この衝撃の死によって、バンドは解散を余儀なくされた。

■サマー・キャンプ(SUMMER CAMP)『PURE JUICE』
アメリカ・サンタ・バーバラ出身の4人組バンド。今作は、ウィーザーを手掛けたクリス・ショウがプロデュースを手掛けた1stアルバム。疾走感溢れるサウンドと、爽快かつセンチメンタリズムを合わせ持ったメロディで大勢の音楽ファンの心を掴んだ。2作目が大いに期待されたがバンドとして正式にCD化されたのはこの1枚のみ。その後ヴォーカルのTimがソロを発表している。

■カーディガンズ(The Cardigans)『Gran Turismo』
カーディガンズはスウェーデン発の5人組バンド。プロデューサーのトーレ・ヨハンソンに見い出され、94年レコード・デビュー。95年にリリースした2ndアルバム『ライフ』からのナンバー「カーニバル」が世界的大ヒット、日本ではマーキュリー・レコードと契約し、96年には3rdアルバム『ファースト・バンド・オン・ザ・ムーン』をリリース、ここに収録された「ラヴ・フール」が世界中で大ヒットとなった。今作は98年にリリースされた4thアルバムで、それまでの爽やかでほのぼのとしたスウェディッシュ・ポップのイメージをがらりと覆し、テクノロジーを駆使した硬質なサウンドで新たな音楽性を提示した作品。その後バンドは1度活動を休止したが、03年より再開を果たしている。

■ジェリー・フィッシュ(Jellyfish)『Spilt Milk』
ジェリー・フィッシュは、アメリカ・サンフランシスコ出身の高校の同級生、いまやプロデューサーとしても有名なアンディ・スターマーと、ロジャー・マニングにより結成。初期メンバー4人で制作したデモ・テープをきっかけにカリスマ・レーベルと契約を交わし、90年に1stアルバム『ベリーバトゥン』を発表、そして93年に2ndアルバム『Spilt Milk』(邦題:こぼれたミルクに泣かないで)を完成させた。同年、最初で最後の来日公演を果たし大いに日本のポップ・ファンを沸かせたが、ところがその後まもなく解散を決定。残念ながら今作は伝説のバンド、ジェリー・フィッシュのラスト・アルバムとなってしまった。