Es VOL.33 New Single「Nostalgia」& LIVE DVD 中村由利・岡本仁志インタビュー(前半)
music freak magazine & Es Flash Back GARNET CROW Final MemoriesP.079
●○ From music freak Es Vol.33
●まずニュー・シングルのお話を伺う前に、LIVE DVDについて伺っていきたいと思います。ライヴ本番は3月でしたので少し時間が経ちましたが、改めて振り返ってどんなライヴでしたか?
中村由利(以下中村):非常に中身の濃いライヴだったなと思いますね。今回ストリングスに入って頂けたのでそれによってサウンドの厚みも出たし、しかも1曲ソロでストリングスをバックに歌うという新たな挑戦もあったり、アップテンポな曲ではみんなで踊ったり、また前半ではドレスを着て歌わせてもらったりと、内容的にすごく盛り沢山で、魅せれるライヴだったかなと思います。聴いても楽しい、見ても楽しい、そんなライヴになったかなと思いますね。
岡本仁志(以下岡本):ストリングス・コーナー明けの僕がソロを任されるコーナーがあったんですけど、そこで中村さんが着替える事になっていて、前半のドレスからの衣装チェンジは結構時間が掛かるという事で、しっかり喋ってしっかり歌って下さい!って言われていたので、まずはそこをしっかりやらなきゃと。それ以外にも今回は演奏自体の決まり事だったりも結構あって、そういう部分を、まあ大きな失敗なく出来たので良かったかなと思います。あと、今回は東京と大阪で行なったんですけど、どちらも会場が客席とそんなに遠くなくて、2階や3階の方とも距離が近くて、ライヴ・ハウスじゃないけどホールでもないという、ちょうど良い距離感で出来たのも良かったと思います。
●今回のLIVE DVD、作品としての見所を教えて下さい。
中村:客席からでは分からないアングルが入っているので、そこを見て楽しんで頂けるんじゃないかなと思いますね。客席からは正面からしか見えないと思うんですけど、このDVDにはステージ側からの光景だったり、例えばキーボードの弾いている手元だったり、色々なアングルの映像で構成されているので、実際ライヴ会場で見て頂いた方にも“ああこうやって弾いてたのか”とかまた新たな発見があったり、よりリアル感が味わえて、改めて楽しんで頂けると思います。
●敢えてこのシーンをチェックして下さいというのを挙げるとしたら、どのシーンでしょうか?
中村:私はストリングスのカルテットの方達とやらせて頂いた「君 連れ去る時の訪れを」ですね。この曲では他の3人はステージに居なかったので、メンバーでは自分1人という緊張感もありましたし、やっぱりバンドで歌うのとはリズムの取り方だったり、間の取り方だったり、グルーヴ感とか違うので、その辺の難しさもあって、ある意味挑戦だったんですね。リハの時に、自分では歌えているつもりでもエンジニアさんに“この辺りちょっと走って聴こえるよ”とか、“ちょっと遅れて聴こえるからこうして歌った方が良いよ”とかアドバイスを頂いたりして、何回もリハーサルを重ねてやっと形に出来たので、歌い終わった後にすごいほっとしている顔が映っていると思うんですけど(笑)。とにかくすごい緊張しました。
●堂々とされていたので、会場で見ていた時には緊張は感じませんでしたが。
中村:いえいえ、ちょっと震えている感じとか、表情も緊張でちょっとこわばっているのが分かると思いますよ(笑)。やっぱり生のストリングスなので、立ち上がりの音が緩やかに鳴っていくんですね。それに歌を乗せるというのは思いのほか難しくて。アタックの瞬間がきっちり決まっているサウンドの中でいつも歌っているから、ワ~ンって立ち上がる音の中でどこを1にしたら良いのかって、それが難しくて何回もリハーサルさせて頂いたので、今回の中では特に印象に残っていますね。
●岡本さんは、1番チェックして欲しいシーンはどちらですか?
岡本:ん~、メンバーの衣装チェンジかな!
中村:歌じゃなくて、衣装チェンジが1番の見所なの? 曲じゃないの?!(笑)
岡本:そうそう、衣装が今回は良かったと思いますよ。中村さんの超・ドレス!っていうドレスからの、2着目は“実は中村さんああいうの着たかったんやろうな”っていうのが分かる衣装だったり、僕の後半なんて蝶ネクタイに半端な丈のパンツっていう(笑)。ちょっと意外で面白かったんじゃないかなって。
●毎回ライヴの衣装は中村さんのアイデアで決められているんですか?
中村:スタイリストさんと話ながら上手く全体の色を合わせていったり、作って頂いたりですね。今回私が最初に着たドレスの色はグリーンだったんですけど、私の中では全然ない色だったんですよね。でもデザイナーさんが“絶対これ似合うと思いますから”って言って下さって、普段黒とか赤とか、わりと強い色を着るイメージが皆さんの中にもあると思うんですけど、今回は“グリーンを着る事によってレディな部分を見せたいんです”ってスタイリストさんにも言われて。だから衣装もある意味チャレンジだったかもしれないですね。後半はミニのワンピースでアクティブな感じにしてみました。
岡本:今回ライヴの内容が盛り沢山だったので、衣装チェンジで一息つける感じも良かったと思いますし、衣装チェンジも含めての全体の構成のバランスがすごく良いライヴだったのではと思います。
●1stライヴから思えばもう何ステージも経験されてきましたが、ある意味定番となってきた部分と、新しい部分とを織りまぜて展開されていますが、今後ライヴでのGARNET CROWの新しい挑戦、こういうガーネットも見せられるんじゃないかというのはありますか?
中村:最近だと音霊ライヴで披露しましたけど、私のピアノの弾き語りっていうのも、わりと珍しいのか喜んで下さる声が多いので、また機会があればどこかでやらせて頂こうかなと思います。あとはエレピじゃなくて生ピアノを入れたり、なかなかバンドもので難しかったりもするんですけど、生楽器の迫力、生の良さってすごくあると思うので、例えばホーンセクションだったり、パーカッションだったり、そういう生楽器を入れてもっと華やかなステージもいずれ出来たらまた新しいライヴの形を作れるかなと思いますね。
●この夏も音霊ライヴに出演されていましたが、今後ミニクロでライヴ・ハウスツアー等はいかがですか?
岡本:アコースティックなので、曲数を考えると結構キツイかなと思いますね。7曲位がギリかなと思いますし。
中村:カフェ・ライヴみたいな感じだったらありかもしれないですね。トークを交えてのミニ・ライヴ的な感じで、おしゃれなカフェとかで美味しいお茶とケーキ食べながら、心地良い音楽を聴いて頂くとか。あと美術館のロビーとか、前衛的な美術館の中庭とか、そういうおしゃれなアート空間でライヴをやってみたいですね。音楽と他のアートとのコラボで新たなアート空間を作り出すみたいな企画も面白いかなと。
●なるほど。では続いてニュー・シングル「Nostalgia」についてお聞きしていきます。大変インパクトのある楽曲ですね。
中村:デモの段階では、切ないものというか、哀愁漂う8ビートのポップス系だったのですが、古井さんが4つ打ちの、しかもちょっとクラブ・サウンド的なデジタルなアレンジに上げてきたので最初は驚きましたね。だけど、デモの時にあったまったり感がなくなって、非常にクールで攻撃的なと言うか、グイグイ前に行く様な曲になったので、“これは良いな”と思いました。それでシングルを選ぶ時になって、他にもバラードとか色んな曲があったんですけど、敢えてパッと聴いた時にGARNET CROWっぽくない曲をシングルにしたいと思いこの曲を選びました。
●デジタルなサウンドというのは、前シングル「Misty Mystery」や、昨年12月に出されたアルバム『メモリーズ』の中でも何曲か挑戦されていましたが、しばらくこういった音楽性を追求していきたいという部分はあったのでしょうか?
中村:そういう部分も確かにありましたね。それにライヴでデジタル・サウンドの4つ打ちものをやると、わりと皆さん乗って下さって、会場の一体感もぐっと高まり、またやっている自分達もすごく楽しいんですよ。なのでこの曲はそういう事をイメージして作った1曲ではあるんですけど、アルバムとかカップリングではなくて、敢えてシングルとして発表した方がなんか面白いかな~と思って選びました。
●構成が、サビ頭だったり、2番のAメロはサイズが短くなっていたりと、聴き終わった時の印象はサビが繰り返されている様な、非常にサビの存在感を感じる作品でしたが。
中村:そうですね。この曲はサビのメロディが1番最初に出来て、その後A、Bを作っていったんですけど、曲によってはAから出来て最後にサビを考える事もあるのですが、結局曲ってメロディとして強いものから出来ていくと思うんですよね。そういう意味で今回の曲はサビが1番インパクトがありますし、サビがキモの曲かなと思いますね。
●またサビはメロディもインパクトがありますが、ヴォーカルも非常にパワフルですね。
中村:今回はすごく集中して1st、2ndテイク位で歌い切っちゃったっていう感じで、自分も新鮮なまま終えられたというか、非常に勢いのある歌がそのままパッケージ出来たと思いますね。
●岡本さんは、今回の曲の魅力はどんな所にあると思われますか?
岡本:声ですね。サビの音符が長い所。“ざわめき”の“き~”の部分とか、カツーン!って力強く伸びている所とかは、改めて良いなって思いましたね。あと今回AZUKIさんは、多分サウンド重視で歌詞を書いたと思うんですよ。曲によって歌詞の意味を優先して言葉をハメてしまうと、メロディがいかせなくなる事があるんですよね。でも今回の様に、メロディのニュアンスを重視して歌詞が乗っていると、聴き心地がすごく気持ち良いんですよ。AZUKIさんのその辺のセンスはすごいなって毎回思いますね。
●資料には“郷愁を含んだ情景描写が独特の佇まいを感じさせる歌詞にも注目”と書かれていますが、中村さん的には今回の歌詞はどういう風に解釈して歌われましたか?
中村:あんまり読み砕かずに最初に読んだ時の新鮮さを大事に歌っていきました。変に読み砕くと自分の癖だったりとかが出ちゃって、それはマンネリになったりつまらないものになったりするので、アレンジも歌詞もファーストインプレッションを大事に、それをそのままパッケージしようと思いましたね。
●歌っていて気持ちの良いフレーズとか、好きなフレーズはありましたか?
中村:韻を踏んでいる所は歌っていて気持ち良かったですね。頭の“ざわめき Cry”の“Cry”と“哀しい位”の“くらい”の所とか、わりと韻を踏んでいる歌詞って好きなので、歌っていても楽しかったです。あとサビの“Love forever”というフレーズはデモで歌っていたのをそのままAZUKIさんが使ってくれていて、上手く前後繋げていて面白いなと思いました。たまにそういう事があるんですよね、それ以上にそこのメロディにハマる言葉がないって事で。
●ギター・レックはどんなイメージで弾きましたか?
岡本:今回はシンセの音が強いのでそれに合う様な音色を重視しました。あとは、まあギター・ソロはありますけど、全体的にはあまり主張せず、ちょっとひっこんでる感じというか、客観的に楽しんでる感じのギターになっています。
●ミックスは何かリクエストされましたか?
中村:そうですね。グイグイくる、疾走感のあるものにしたかったので、何度か手直しして頂きました。わくわくするミック
● ロンドンオリンピックで特に印象に残ったシーンは? 中村:競泳ですね。特に最後のメドレーは手に汗握りました。男女共にメダルが取れて本当に良かったです。個人戦では出せなかった好タイムを団体戦で出す選手も沢山いて、仲間の偉大さみたいなものも改めて感じさせられました。